村上 春樹 著 『アフターダーク』

読み上げる。

面白かった!

普段から速読だけど、

かなり集中して読み上げた。


エリの眠りの深さは抱える苦悩からの逃避

いや、逃避するにはエネルギーがいるけど

エリは自らの燃料を大して使うことなく

「おやすみ」と言ったまま眠り続けている

小説の中に登場する人物は

エリの眠りと反対にリアルに夜を過ごす

得体の知れない中国人や、

まるでプログラムされたコンピューターのような白川

エリの妹マリに登場人物は寄り添うようにリンクしている

読みながら、先が気になって仕方ない。


こちら側とあちら側

明・暗。

小説の中に出てくる「私たちの視点」は

カメラアングルのように書かれているけど

これは一体何者か。

読んでる私です。(と解釈した)

夜が明け、マリはエリに添い寝する。

この場面は美しい。
しばっていた縄が優しく溶けていくような感じだ。


中に出てくる音楽や映画のエピソードも

村上春樹らしい。



題名にもなり、マリとタカハシの会話に出てくる、

ファイブスポット・アフターダーク

トロンボーンを吹いているのはカーティス・フラー