金曜電信 vol.28 【しし座】 | toeの占星術的視点

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私は1999から西洋占星術に関わっています。リーディングでは、その経験の中で見えてきた各テキストの解釈の裏にある共通点のようなものを大切にしています。このブログでは、その視点による占星術の記事を紹介していきます。



【しし座】


クオリティ:フィクスド/モノ
エレメント:火/発展


『しし座』はモノを対象にして、発展の感情が起こるサインとなります。


『おうし座』でモノとは、定着したモノのことを指すと説明しました。つまり自由意思がなく、道具や趣向品として、こちらが好き勝手に扱えるモノのことです。


『かに座』で人間的(社会的)な情緒を手に入れた魂の感性は、肉体の感覚に押し潰されている状態です。魂の感性とは、本来魂が大いなる魂として一つだったという感覚です。そこで魂は『かに座』が表示する肉体にまとわりついた価値観を剥ぎ取り、身勝手に行動しようとします。


一度、『かに座』までの流れで構築された肉体感覚と結びついた価値観を、モノ化することで自分主導でコントロールしようとするのです。火エレメントである発展の感情は、基本魂の訴えを代行しようとする働きです。地上に落とし込まれた魂は、初めてモノという概念に出会い、無知から『おうし座』では従うことしかできませんでした。


しかし『かに座』までの流れで肉体感覚は価値観と同化させられる術があることを経験したので、次は魂の価値観にモノを同化させる発想を得たのです。『しし座』は『おひつじ座』と同じで動機や発端であり『しし座』の結果は『さそり座』まで待たなくてはいけません。


なので『しし座』の段階では、感情はかなり身勝手な遊び(自分の好き勝手にやる)の中で、魂の求めるまま喜びに没頭していきます。『ふたご座』と『かに座』で加わったプロセスや人間関係でさえ、モノ化する思考は非常に危険な思想でもありますが、『かに座』の人間臭さい面(相手の都合を考えない優しさなど)が、この感情の危うさを補完しています。



『しし座』は社会的な価値観や倫理観と結びついた『かに座』の感覚を切り離して、魂の感性で純粋にモノを捉えようと企てます。しかし『おひつじ座』から『かに座』までの流れを経て構築された結びつきを『しし座』の感情だけで一気に解消できる訳もなく、『しし座』の自分主導の活動は『かに座』の価値観にかなり振り回されます。魂の喜びが、物欲的な喜びにすり替わるのです。


なので『しし座』が表示するモノの発展は、自分に必要以上の物欲、刺激や快感を希求して思考します。この感情は価値観を再構築する過程のため、一旦全てをモノ化しようとしているのです。『しし座』の感受点の生命力を発動させたい時は、好きなことに素直に没頭することです。結果や後先はこの感情の段階では考えなくてよいでしょう。