金曜電信 vol.11 【金星】 | toeの占星術的視点

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私は1999から西洋占星術に関わっています。リーディングでは、その経験の中で見えてきた各テキストの解釈の裏にある共通点のようなものを大切にしています。このブログでは、その視点による占星術の記事を紹介していきます。



【金星】


ジオセントリックの金星は地球からの見かけで48度以内の範囲内で太陽から離れられず、その生命力を太陽のために活用します。


そのため、金星は本来の生命力を制限され、喜び、快感、美的センス、恋愛、感性を人生の目的設定と達成のために働かせるのです。


年齢期は16歳から25歳。これは人が思春期を経て、心身ともに子供から大人に変化する時期です。


金星も月や水星と同じく、内なる生命力なので外側からの刺激を嫌います。しかし金星の生命力は生殖能力に根ざしていて、嫌でも生殖活動のために外側の刺激を受容しなくてはいけないのです。


外側を受け入れることは内なる生命力にとっては死活問題です。そこで危険を麻痺させる手段が必要となり、脳は脳内物質の分泌によって、生殖のために受け入れなくてはならない外側の刺激を快楽に変換させました。


金星は女性らしさのイメージの源泉です。女性にとっては自分が演じるべき、または憧れの女性像であり、男性にとっては恋人やSEXに求めているイメージとなります。


太陽は金星を目的達成後のご褒美のイメージとして見ています。つまり目的達成のモチベーションを維持するために活用するのです。


男性の成功体験で『はじめはモテたくて、はじめた』と話す人がいますね。これはまさに太陽が金星を活用していた例です。つまり太陽を目指せば金星のような女性とつき合えるという男性の視点です。


女性の視点は『金星のようになりたい』ですから、太陽を目指すことで金星のイメージを維持できます。女性が目標としてダイエットやファッションなど自己実現に向かうのはこのためです。


金星が関わるバースチャートのアスペクトによっては、太陽への移行がなかなか進まない場合があります。つまり太陽より先に金星の年齢期が来るため、その時期の金星のイメージに満足してしまうと、太陽を目指す動機が見つけられないのです。


しかしジオセントリックの金星の生命力は制限されているので、太陽に移行して金星を活用しないと、その生命力や活動の維持が難しくなります。


ヘリオセントリックで表示される、太陽からの分化のプロセスで金星は3番目に位置しています。3の数字には『生産、多産』の意味があり、タロットカードでは『女帝』に当たります。


男女の性差は、人類が生殖の手段として選択したのものですから、金星を女性特有の生命力と考えるべきではありません。