こんにちは。竹谷とし子です。

 

わたしたちの税金が、本当に必要なところに、優先的に使われるように。

 

そのために、「財政の見える化」に、とりくんでいます。

 

平成27年から、全国の自治体で、統一基準による、発生主義ベース(企業のような)の財務書類等作成が、行われるようになりました。

 

財務書類等を作成するだけでなく、さらに、それを活用することで、財政の見える化の効果が出てきます。

 

どのくらいの自治体が、活用できているか?ということを、総務省が調べています。

 

活用にも、色々幅がありますが、「財務書類等の情報を基に各種指標の分析を行った」、と回答した自治体は、

 

20都道府県(42.6%)、912市区町村(52.4%) ということでした。

 

けっこう、増えてきたと感じます。

 

そして、さらに、活用の幅を広げる、「施設別・事業別等の行政コスト計算書等の財務書類を作成した」と回答した自治体となると、かなり絞られてきます。

 

4当道府県(8.5%)、90市区町村(5.2%) ということでした。

 

まだまだ少ないですが、前進はしています。

 

施設別・事業別等の行政コストというのは、どういうものかというと、東京都町田市が、非常にわかりやすく示していますので、ご紹介させていただきます。

 

https://www.city.machida.tokyo.jp/shisei/gyouzaisei/shin_ko-kaikei/kessan/2018kessan.files/2018kessann_daijesuto.pdf.pdf

 

たとえば、8ページ、9ページに保育園事業について記載されています。これを見ると町田市の保育事業にかかる総額(コスト)は112億3764万円。そのうち市でかかる人件費は1億5256万円、業務費は8億9741万円、全体の9割はそれぞれの保育施設に支払っている給付費で101億8767万円、それを園児ひとりあたりにすると、年平均182.3万、というように、市民にもわかりやすい形で示されています。

 

民間の事業者なら、当たり前のようにやっていることですが、実は、こんな風に見える化する取り組みを行政がするようになったのは、最近のことです。そして、このような形で、コスト分析を行っているのが、全国ではまだ1割に満たない、ということです。

 

一方で、国の取り組みはどうなっているかというと、行政コストについては、大変おおくくりになっているものはありましたが、平成26年度分から、一部の事業を選んで、事業単位でのコストを試行的に算出しています。フルコスト情報と呼んでいますが、これは、人件費や、建物の減価償却費などの、全てのコストを含めて算出しているという意味です。

 

https://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/fy2018/fullcostdigest.pdf

 

たとえば、衆参国会にかかる費用がいくら、刑務所費用や裁判所にかかる費用がいくら、ということが見える化されています。

 

これも、まだ一部の事業にとどまり、試行段階ですが、現場の作業負担に配慮しながら、徐々に見える化する事業数を増やしてきています。

 

なぜ、やる必要があるのかということについて、現場のご担当者にわかってもらわなければなりませんので、そう簡単ではありませんが、地道に着実に進めていただいています。

 

現在、新型コロナウイルス禍において、国が支出するお金が膨大な金額になっています。必要なものには、しっかり支出し、同時に国民からの信頼を得るために、使い途の見える化も、しっかりしていかなければならいと思います。

 

長い文章になってしまいましたが、最後までお読みくださり、ありがとうございます。

 

総務省でまとめている地方自治体の取り組み事例はこちら↓

https://www.soumu.go.jp/iken/kokaikei/katsuyouzirei.html