公明党が食品ロス削減推進プロジェクトチーム(事務局長:河野義博参議院議員)を立ち上げ取り組んで来た、「食品ロスの削減の推進に関する法律案」が成立いたしました。食品ロス・廃棄は世界的な問題でもあり、その削減はSDGs(国連の持続可能な開発目標)の中でも達成すべき目標に掲げられています。
食品ロスは発生抑制すべきもの、未利用の食品はフードバンクなどを通じて必要な人に活用されるべきもの、という行動規範が法律に定められました。法施行前ですが、既に動きが出始めています。
法案の衆議院通過後に、大量廃棄が社会問題として取りざたされてきた大手コンビニが、期日が近い商品の購入にポイント還元すると発表しました。同じ値段なら、棚の後ろに手を回して新しいものを手にしていた消費者にとっては、購買行動を変えるインセンティブ(動機付け)ができます。皆が手前から買うようになるだけでも食品ロスは大きく減ります。そして、期限間近でも商品が売れるようになれば、小売・流通側が求める、いわゆる”1/3ルール”と呼ばれる厳しい納品期限が緩和されやすくなります。メーカーや生産者側を苦しめている食品ロスも減ることになります。
公明党の国会質問や党部会の提案を受けた政府は、コンビニ等小売り店舗で、ICTを使った、期限間近商品の値引きやポイント付与の実証実験を後押ししてきました。また、都議会公明党が食品ロス削減を訴えてきた東京都も、スーパーでのポイント還元の実証実験を行いました。また、大手小売業には、公明党の法案骨子段階から内容をオープンにして、事業者に努力義務が課されることも踏まえた主体的な取り組みを提案してきました。
そして、コンビニ以上に大量の食品ロスを発生させているのが、外食です。政府においては、6月に開催されるG20の関係行事で、関係者に提供する食事量をできるだけ適確に把握し、食品ロス防止に取り組むことを、私の国会質疑に対する答弁で明言しました。今までなかなかできなかったことに、政府が率先して成果を出すことができれば、大きな波及効果が期待できます。この法案は、「国民運動」であるため、政府を含む全ての主体に努力をお願いすることになります。
消費者側の活動としても、小学生の壁新聞や、大学生による恵方巻きの廃棄問題の解決策提案など、様々な取り組みが、法律を所管する消費者庁に続々と寄せられてきています。子どもや学生が問題意識をもち、社会課題の一つである食品ロス問題の解決に取り組んでいることは、日本社会の希望であり、世界の範となる可能性をもっていると感じます。これまで、環境省、経済産業省などで、食品ロス削減には取り組んではいたのですが、生産者や企業側の視点に限られ、一部の事業者が素晴らしい取り組みをされていても波及効果が限定的で、残念なことに食品ロス発生量は2017年まで年間600万トン台と高止まりで推移し続けいます。今後は、消費者の意識と行動を、普及・啓発を通じて改革し、国・自治体や事業者と消費者が相互に連携し、「国民運動」として誰もが取り組んでいこう、という点が、この法案の特徴です。
「もったいない」と「おすそわけ」という、昔から日本にあった文化を食分野の行動規範として定めた、食品ロス削減推進法案。
我が党の法案にご賛同下さり、各党の合意形成のために2018年3月から1年以上かけて共に汗をかいて下さった友党自民党の上野通子参議院議員、そして、この法案成立を期して2018年12月に発足した超党派議員連盟や衆参消費者特別委員会、各党幹部と国会対策委員会、そして、法案の必要性を訴えて活動してこられたフードバンク推進協議会の米山広明氏はじめ、ご尽力下さった全ての方々に心から感謝申し上げます。
SDGsのこの問題を担当する国際連合食糧農業機関(FAO)のローマ本部及び駐日連絡事務所(ンブリ・チャールズ・ボリコ所長)にも法案策定段階からご協力いただき、世界的な取り組みとの連携をはかっています。
支え合う温かな世界を目指し、今日を新たなスタートとして、日本、そして、世界の食品ロス問題解決に取り組んで参ります。
本会議後、法律成立の瞬間を見届けに傍聴に来てくださった、食品ロス問題専門家/ジャーナリストの井出留美さんと、手を取り喜び合いました。井出さんは、世界の食品ロス削減に向け、現場に足を運びご自分の目で確かめて発信し、私を含め多くの人々に考えるきっかけを作って下さっています。2016年に、公明党東京都本部女性局(局長:松葉多美子都議会議員)が毎年企画している女性の健康週間の活動テーマとして食品ロスを取り上げ、都内10カ所近くで井出さんと講演をご一緒させていただきました。講演を聴いた方々から、「意識が変わり、生活の中で食品ロス削減を心がけるようになった」、特に「お店で前から商品をとるようになった」というお声の数々を伺い、問題解決の糸口は消費者にある、と気づくきっかけになりました。ご参加者から、良いことだから全国で進むように法律ができればいい、というお声も伺いました。
また、地方議員研修会でも、井出さんを講師に自治体で取り組む具体策を研鑽し、議会質問を通じてフードドライブの常設が東京都世田谷区はじめ各地で展開されてきました。意見書の採択や普及・啓発を公明党が主導するなど、全国の各議会で「食品ロス」という言葉が頻繁に出てくるようになりました。この過程で、自治体によって、取り組みに熱心なところもあれば、行政側が全く無関心というところもあり、食品ロスをなくすために、国として法律を作ってもらいたい、というお声が、問題に取り組む地方議員からも出てきました。
国において、プロジェクトチームが2016年に菅官房長官に提言を届けたことが消費者基本計画工程表に反映され、施策が具体化してきていますが、さらに一段と前に進めるため、この法案作成を進めることにし、その過程でも、井出さんからアドバイスをいただきました。
ジャーナリストと政治家で役割は異なりますが、井出さんは、お互いの立場で食品ロス問題の解決を目指す同志だと思わせていただいています。井出さんのブログ「日本初「食品ロス削減推進法」が本日ついに成立!2019年5月24日午前10時からの参議院本会議で可決」で、背景にある幼少期からの私の思いにまで触れていただきました。ありがとうございます。

