竹谷とし子です。臨時国会では法案成立までもう少しのところで時間切れとなってしまいましたが、議員立法「食品ロスの削減の推進に関する法律案」を成立させた上で、それを基盤にして食品ロス削減と、余剰食品の福祉的活用を進めるフードバンク活動支援等の諸施策を、議員側から力強く推進していくため、超党派議員連盟(会長:自民党山東昭子参議院議員)が発足しました。本日議員会館会議室で設立総会を開催し、議員連盟の規約、役員について総意による承認をいただきました。私は事務局長として司会をつとめました。

 

基調講演として、FAO(国際連合食料農業機関)の駐日事務所所長のチャールズ・ボリコ氏から、FAOの活動と共に、世界の食料ロス・廃棄の実情についてお話していただき、出席した多くの議員が真剣に耳を傾けていました。食料廃棄は、生産に費やされた土地、エネルギー、水、労働力などをムダにすることであり、地球温暖化ガスの発生にもつながります。世界の食料廃棄は1/3に及ぶ一方で、9人に1人が栄養不足、しかし、食料廃棄量の1/4が行き渡れば飢餓は解決する、ということでした。短い基調講演でしたが、世界の食品ロス・廃棄問題について、明確でわかりやすい説明をいただきました。ボリコ所長、まことにありがとうございました。

 

基調講演の後、各会派の代表からは、議連発足にあたり法案の早期成立に向けて決意が多く述べられました。

 

当議員連盟にご参加いただく国会議員は公明党、自民党、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、日本維新の会、社民党、無所属の会、無所属の衆参あわせて107名になりました。公明党が骨子を作った法律案について、3月から各会派にご説明を重ねてまいりました。その中で、この法案を早期に成立させた上で、具体的施策を前進させていこうとの合意が形成され、議員連盟を発足させることができました。各会派で真摯にご検討いただきました。合意形成のため汗をかいて下さった方々に心から感謝いたします。また、法案成立を願う市民団体としてフードバンク推進協議会が6月に院内集会を開いて下さったことも大きな後押しとなりました。ご関係者に深く感謝いたします。

 

議連の設立総会にはマスコミ各社からも多数取材があり、食品ロス問題への関心が高くなってきていることを感じました。

 

今後、国民運動として食品ロス削減を進め、そして、フードバンク団体など民間の方々とも力をあわせて、食品ロス発生の一方で食料不足の人がいるという2つの問題を、まず食料の大量輸入国である日本から解決し、世界にも発信していけるようにしたいと決意しています。まずは、通常国会の早い段階で法案を成立させられるように、全力で取り組んでまいります。

 

<議員連盟の設立趣旨>

日本ではまだ食べることができる食品が、日常的に廃棄され、大量の食品ロスが発生しています。この量は、国内の魚介類の消費量とほぼ同量で、国連世界食糧計画(WFP)による食糧援助量の2倍にもなります。一方で、我が国でも世界でも、食糧不足や貧困に苦しむ多くの人たちがいます。

この食品ロス問題は、2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030目標」(SDGs)の17の目標と169のターゲットの中に明確に位置付けられるなど、国際的にも重要な課題です。とりわけカロリーベースでは6割以上の食糧を海外に依存し、食糧と共にその生産流通過程で消費された水、エネルギー等も輸入しているといえる我が国においては、地球環境の面からも食品ロス削減に真摯に取り組むべきと考えます。

食品の生産・流通・販売・消費の各段階で生じる食品ロスの削減に、国民運動として取り組み、あわせてまだ食べられる食品の廃棄を抑制し、フードバンク等を通じて貧困世帯への支援や子ども食堂などの福祉分野での活用を進めるために「食品ロス削減及びフードバンク支援を推進する議員連盟」を設立致します。

 

FAOのTwitterでも議連総会の模様をご紹介いただきました。ありがとうございます。