竹谷とし子です。

 

朝八時より、超党派の成育医療等基本法成立に向けた議員連盟で、切れ目ないサポートの重要性の観点から、「児童虐待防止制度のあり方について」と題した、駿河台大学吉田恒雄学長の講演を伺い、議論が行われました。

 

 

平成27年3月までの11年6ヶ月で心中を含む児童虐待で亡くなった子どもの数は1080人にものぼります。

主たる加害者は、実母が半数で、次いで、実父、実母と実父、というように、大半が親によるものであったことが明らかになっています。

 

「しつけ」の名による虐待死が頻発しているとのこと。

たとえ死に至らずとも、虐待を受けることじたいが、子どもの成育に大きな悪影響を及ぼします。

 

たとえば、お尻を叩くなどの体罰を受けた子どもは、「落ちついて話を聞けない」「約束を守れない」などの行動リスクが高くなる科学的エビデンスがあるそうです。目黒区で虐待の末に亡くなった結愛ちゃんは、虐待の影響で臓器が著しく萎縮していた、という報道もありました。体罰を法律で禁止したフィンランドでは、体罰の減少と、子どもが殺害された事件数には関連があり、法律の効果があると推察されています。それらの根拠から、子どもへの体罰や尊厳を傷つける行為を法律で禁止して、体罰等を行わずに子どもをしつける方法の有効性を啓発し、親が学ぶ機会を設けることが吉田先生から提案されました。

 

また、親子心中という名の虐待死をなくすために、メンタル問題を抱える親による養育が行われる場合の支援の必要性や、貧困問題の解決が虐待問題の解決につながりうるとの観点から、ひとり親家庭や生活困窮家庭への経済的支援をはじめ、地域における子育て支援施策の共通視点として、児童虐待防止を明記することも提案されました。

 

講演を伺いながら、公明党が推進し、今は定着した乳児のいる家庭の全戸訪問、いわゆる「こんにちは赤ちゃん事業」、そして、現在進めている子育て世代包括支援センター(日本版ネウボラ)や産前・産後サポート及びケアは、児童虐待防止の観点からも非常に重要な政策であり、必要な地域で着実に推進すると共に、今後さらに、予期せぬ妊娠への支援など足らざる部分について施策を加速しなければならないとあらためて感じました。

 

最後に、今後の議員連盟の進め方として、成育医療等基本法の方向性を決め、その上で議論を加速しようということになりました。