こんにちは。竹谷とし子です。

 

猛暑です。どうか、熱中症にはくれぐれもご注意下さい。

 

今日のブログは、人生の最期に関する問題についてです。

 

人生100年時代、高齢の親をどう看取り、自分たち自身も最期をどう迎えるかは、とても重要なテーマです。

 

先日、医療法人社団つくし会 新田クリニック院長 新田國夫氏、株式会社シルバーウッド代表取締役/サービス付き高齢者向け住宅「銀木犀」運営 下河原忠道氏 のお二人を迎え、公明党東京都本部で介護医療勉強会が行われました。

 

新田先生は、『安心して自宅で死ぬための5つの準備』の著書を出されており、在宅医として「最善の医療」を尽くし、1000人もの方をお看取りされている方です。一方、下河原代表は建築家でありながら、「銀木犀」というサービス付き高齢者住宅とグループホームを11カ所で、入居者様が、第二の我が家のように、安心して生ききる住宅にしようと、思いやりと優しさで生活をサポートし、お看取りもされています。先日テレビで紹介されてからは、待機がでている状態だそうです。

 

いずれも、認知症の人や介護を必要とする人が、尊厳をもって生活できるように支援しながら、最期のお看取りにいたるまで、現場で先駆的に実践されているお二人の話でした。感銘を受けると共に、深く考えさせられました。他の参加者とも、後日会った時に、本当に大事な勉強会でしたね、と話題になりました。

 

高齢になってからの病気は、治療で治る場合もあれば、治療することが生活の質を低下させる場合もあるといわれます。また、認知症になり、徘徊を防ぐために施錠したり、転倒を防ぐために動かさなかったり、感染症を防ぐため長期間にわたり面会謝絶にしたり、と本人を守るため過剰に対応することで、逆に尊厳やいきがいを失わせ、今ある力もそがれてしまうこともあります。以前から聞いている問題でしたが、仕方がない側面もあり、あきらめていました。しかし、講師のお二人の話には、それ以外のより良い選択肢もありうる、という解がありました。

 

国民医療費は、直近の統計で42兆3644億円(平成27年度)です。このうち患者様負担は約5兆円で、残りは保険料と税金・国債でまかなわれています。単純平均すると国民一人あたり約31万円負担し、患者様を支えている計算になります。また、これ以外に介護費があり、年々増加しています。

 

医療を受けた側が、過剰な医療、受けなくてよかった医療、と感じるものがあるのなら、ご本人やご家族がお気の毒であると同時に、過酷な環境で働いておられる医療関係者の方々や、税・保険料を負担する国民にとっても、残念な事です。

 

特に、終末期の医療は、様々な話を聞きます。よりよい選択肢があるのなら、それを選択できる環境を、皆でつくっていかなければならないと思います。

 

 

 

地方議員の方々からの質疑の中で、「我が地域の特別養護老人ホームでは、嘱託医が死亡診断を避けるため、看取りができず、全員を病院にお運びしなければならない」という課題が提起されました。この課題については、勉強会終了後も、先生方とお話がつづきました。

 

より良い終末期を迎えるために、あらかじめ、治療やケアについての話し合いをしておくことがとても重要であること、また、ご本人やご家族・近親者が無理な延命措置を希望せず、自宅や自宅に近い場所などで過ごし、お看取りを希望する場合にそれを選択できるようにするためには、政策面からも環境を整える必要があることが明確になってきました。

 

勉強会には、200名近い議員が参加し共に学びました。支え合う温かな社会を目指し、誰もが、心豊かに暮らし、地域の中で尊厳を持って暮らし続けることができる、医療と介護の体制の確立に、公明党の国と地方のチーム力で取り組んで参ります。