竹谷とし子です。

 

少し前に日本の新聞でも報道されていましたが、オーストラリアのシドニー市内に、全て無料のスーパーができました。

 

野菜市場や一般のスーパー、ホテルなどから、賞味期限が近くなったり、過剰仕入れのため廃棄される食品を、良い状態のうちに寄付してもらい、このスーパーで無料提供しています。利用者は、可能な場合はお金を寄付し、その寄付は他の人々への食糧支援に使われるという仕組みです。

 

http://www.ozharvest.org/market/

 

食品ロス啓発やフードバンク活動をするNPO団体 OZHARVEST が、運営しています。

 

<オーストラリア政府の取り組みを調査し日本と比較>

 

食品廃棄物や、食品ロス(食品ロスとは食品廃棄物のうち食べられるもの)は、先進国共通の課題です。この機会に、在豪の日本大使館・総領事館を通じオーストラリアの取り組みを概要のみですが調べました。

 

オーストラリアでは2017年4月に産官学が一堂に会し、2030年までに食品廃棄物戦略の推進を決めたとのことでした。(食品廃棄物は、食べられないものまで含む広い定義です)

11月に、全国食品廃棄物サミットを開催するそうです。

 

オーストラリア政府は、食品廃棄物を堆肥などにするプロジェクトを9件支援してきたそうですが、日本の方がこの点は進んでいるかもしれません。日本では、一定規模以上事業者の食品廃棄物等の再生利用等実施率目標*をかかげ既に取り組んでおり、成果をあげています。

(*食品製造業95%、食品卸売業70%、食品小売業55%、外食産業50%)

 

また、自治体レベルで参考にするため、州の取り組みとしてクイーンズランド州を調べたところ、ゴミ処理(今はほとんど埋め立て)の環境問題で、影響が大きい食品廃棄物を削減すべきとはされていますが、特段の取り組みはないようでした。

 

尚、食品廃棄物と食品ロスがわかりにくいかもしれませんが、下記のような関係になります。

数字は日本の平成26年度のものです。http://www.env.go.jp/press/files/jp/105509.pdf

 

 

 

 

オーストラリアでは、食品ロスを削減し、食べ物を必要としている人への慈善活動を行う上木OZHARVESTのような団体が二つあるそうですが、このような民間団体のフードバンク活動は日本でも同様に行われており、いずれも基本的に寄付によって運営されています。

 

他国で参考になる点も勉強しながら、食品ロス削減運動を推進していきたいと思います。

 

 

財政の見える化 参考情報:

平成29年度食品ロス削減に関する農林水産省予算は、7千8百万円です。

http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/161227_8-2.pdf

 

他に、消費者庁、環境省、経済産業省、文科省も取り組んでいますが、予算は数百万円位だと思います。(全体の内数という形で開示されています)