竹谷とし子です。

 

参議院農林水産委員会で質問に立ち、農業や食料分野で、ロボットやAI(人工知能)、ICT(情報通信技術)、IoT(モノをインターネットでつなぐ)など新しい技術を活用し、人手不足の解消や労働負担を軽減し、生産性と所得向上をはかることができるように支援策を求めました。

 

 

色々な技術が開発されています。たとえば、腰をサポートする農業用アシストスーツ。

 

果物や野菜の収穫、運搬の重労働作業を軽減し、お年寄りや女性だけでなく、若手にとっても、助かるもので、すでに開発され、数社で販売もされています。

 

腰・股関節のサポートに特化した「パワーアシストスーツ」。荷物の持ち上げや中腰での作業、歩行の際にかかる身体への負担を軽減する

(写真:農林水産省ホームページより)

 

この他にも、ロボットが収穫や運搬を行ったり、気象情報などデータ活用によって農産物の収量を高めたり品質を上げたりする技術や、費用を下げるために解決方法など、農業を抱える課題を解決する方法がいくつも実証されています。


しかし、多くは、必要とする農業者に手頃な価格で広く普及するまでには至っていません。普及させていくには、農業者側だけでなく、製造・販売を行う事業者への支援も必要です。ベンチャー企業や中小企の場合は、資金繰りや販路開拓への支援がなければ、売れるようになる前にとんざしてしかねません。大企業も売れる見込みがなければ撤退してしまいます。

 

問題は、普及です。

 

農業分野は、良いものであれば売れるという環境にはありません。経営が安定せず農業を続けていこうかどうしようかと迷うような環境では、新しいものを買ってまで挑戦しようとは、なりにくいのです。一部には自力でできる方もいますが、農業者の状況を伺うと、農業を続けていくこと、所得向上のため新しいことに挑戦すること、多面的に支援が必要です。

 

また、製品を提供する事業者側からしても、研究開発から製品化、そして、売れて普及するまでには、農業分野に限りませんが、「死の谷」と呼ばれる関門があります。

 

せっかく時間とお金をかけて研究開発が成功したのに、農業者がその成果を使い、日々の農業を楽に行えるようにならなければ、いくら良いものでも宝の持ち腐れとなり、もったいないです。

 

新しい技術の普及に向けて、次のステップの支援が必要だと政府に訴えました。

 

農業の生産性向上への支援は、地域の農業を守り、日本の農業の質を高め、国民の生活を支えるために必要な予算だと思います。