竹谷とし子です。

いつまでも健康でいきいきと暮らしていける社会をつくりたい。

そのために、生きがいをもち、楽しく暮らしながら、介護も予防していただけるのが一番です。
この思いから良い取り組みを聞くと、現場に伺い確かめています。


昨年暮れに、千葉県船橋市にオープンしたばかりの、コンシェルジュつき高齢者シェアハウスを船橋市在住の角田ひでお衆議院議員、仲村ひであき千葉県議会議員、鈴木しんいち市議会議員、東京都議会の栗林のり子議員、野上じゅん子議員と共に
訪問し、視察しました。


こちらは、身の回りのことは自分で出来る高齢者を対象としていますが、介護知識をもつコンシェルジュが、入居者の心身状態を家族のように、日々見守ってくれることが大きな特色です。


個室には家具がついていて、洗面所が中に。


ぎりぎり二つベッドを並べることもできる広さです。


共用リビング とても広く、開放感があります。


共用キッチンは意外に小さく感じましたが、



高齢で一人暮らしとなると、後片付けも大変ですし、なべ釜で煮炊きすることも段々少なくなります。この位でも十分かもしれません。

かわりに、階下に併設している介護施設のキッチンに食事を予約することもできます。


お風呂とトイレは共用で設置されています。身の回りのことは十分出来る高齢者にとっても、お風呂、トイレ、台所の掃除から開放されるということは重要だと思います。個室の中にないことで、利用のたびに部屋の外に出る必要があることも、体を動かし、人と顔を合わせ、適度につながりをもつことになりますから、大事なことだと思います。


また、この施設では併設のデイサービスのお風呂があり、時間外に利用可能になるそうです。しっかりした手すりが、高齢の親を介助する経験を持ってみると非常にありがたいと痛感します。


この他、個別の談話室や、家族や友人が泊まれるゲストルームも完備されており、住む人の立場に立って考えられていると感じました。学生や働く世代の単身世帯でも、暮らしたくなるような仕様だと思います。


また、ご本人の希望と求人状況によりますが、仕事を希望する人とのマッチングもコンシェルジュサービスの中に含まれており、ここで暮らしながら、無理なく働き適度な収入を得て、趣味や旅行や人付き合いを楽しむ生活がモデルとして想定されます。


さらに、他地域でも展開可能性があり、他の場所に転居して旅するように暮らす、ということも視野に入れられています。


このシェアハウスは、民間企業が公的な補助なして既存の建物を改装し運営しています。国が補助し整備を促進しているサービス付き高齢者向け優良賃貸住宅に似ていますが、介護が必要になる前のお元気な高齢者を対象としており、人とのつながりを重視した住まいの設計と、家族的なコンシェルジュサービスによって、趣味や人付き合いを楽しむ充実した自然な暮らしから「健康寿命を延ばす」という目的が明確になっている点が異なると感じました。


高齢の親をもつ立場から、また、20年もしないうちに自分も対象世代となる立場からの実感として、社会的需要がある分野であり、かつ大きな社会課題である介護を予防するという公益的な観点からも、これは重要な取り組みだと感じました。



高齢で一人になった時、離れて暮らす子の立場からも誰かの目があるこちらのようなシェアハウスは理想的だと思います。
高校時代に3年間下宿でお世話になった経験もあるので良さを実感します。しかし体の自由がきかない高齢になってから住まいを変えるのは若い人間が考えるほど簡単ではないということも親の姿を見て思いました。余裕のあるうちに自分の意思で移り住むにはソフトを含む住環境全体の魅力が必要で、その点によく配慮されていると感じました。


また、自助・共助・公助という視点で見ると、自助を限りなく高める共助の形であり、ソーシャル・キャピタルの再形成とも言えると思いました。介護予防という側面はもちろんのこと、災害時の救援や安否確認ひとつとっても、限りある公助の資源を、最も必要とする人に集中するために、自助・共助の力が高められることは政治・行政の立場からも大変重要だと思います。



言うまでもなく、住まい、そして、人とのつながり、生きる上でこれはとても大切です。



あらゆる立場の人がこのような清潔で快適な住まいと人との適度なつながりがある、さらに、元気なうちは何か働いて収入を得ることができる、という形を目指して、国民年金のみなど低所得の高齢世帯でも、既存住宅の改修や公的住宅の改善、隣人や家族的な人のつながりの再生を通じて、健康で温かい暮らしが出来る環境づくりを進めていきたいと思いました。


視察により随所にヒントを得ることができ、大変
参考になりました。


年の瀬も押し迫る中で視察を受け入れて下さいました、ユニマットリタイアメントコミュニティ様に感謝申し上げます。