☆ 子ども貧困対策前進へ
(公明新聞:2015年12月22日(火)付)

児童扶養手当 第2子から倍
保育料は無償化対象が拡大
高校生の奨学給付金も増額

政府は21日、新たな子どもの貧困対策として、ひとり親家庭に支給される児童扶養手当の第2子以降の加算額を来年8月分から倍増することなどを含む政策パッケージをまとめた。これまで、公明党が国会質問や提言など、あらゆる機会に訴えてきた内容が随所に反映されている。

現在の児童扶養手当は、第1子の支給額が月額最大4万2000円であるのに対し、第2子は5000円、第3子以降は1人につき3000円ずつしか加算され ない。公明党は、第1子と第2子に大きな差があるため増額を訴えていたが、今回、政府は第2子を最大1万円、第3子以降を最大6000円とし、それぞれ倍 増することを決めた【表参照】。


また、低所得世帯を対象とした返還不要の高校生等奨学給付金は、非課税世帯の第1子が増額となり、来年度は年額で公立が5万9500円、私立は6万7200円となる。

多子世帯の保育料も軽減。年収約360万円未満の世帯については、保育所や幼稚園の保育料を、1人目の子どもの年齢に関係なく、第2子を半額、第3子以降は無償とした。

ひとり親世帯のうち幼稚園については、年収約270万円未満世帯は第1子、第2子ともに保育所と同様に保育料を無償にする。年収約360万円未満世帯は幼保ともに第1子を半額、第2子以降は無償とする。

このほか、ひとり親世帯への支援では、自治体窓口のワンストップ化や情報提供体制の強化、放課後の子どもの居場所づくりを進める。さらに、親の就労支援策として資格取得資金などの貸付制度を充実させ、母子父子寡婦福祉資金貸付金の利子引き下げなどが前進する。

一方、児童虐待防止対策強化では、子育て世代包括支援センター(日本版ネウボラ)の全国展開を2020年度末までにめざすことを明記。また、乳児家庭全戸訪問事業など、訪問型支援を充実させることも盛り込んだ。

社会的養護を必要とする子どもの委託先として里親・ファミリーホームの比率を上げる数値目標や、児童養護施設退所者に対する自立支援策も充実させる。


ひとり親支援を強化 石田祝稔政務調査会長

政府が今回、子どもの貧困対策でまとめた、ひとり親を支援する児童扶養手当の充実や保育料軽減の拡充などは、まさに公明党の主張が反映されたものです。

子どもの貧困対策を総合的に推進する大綱策定を政府に義務付け、自治体に支援策を促す「子どもの貧困対策推進法」(13年6月)などの法律制定に公明党は 中心的な役割を果たしてきました。また、国会質問や各提言などで、ひとり親家庭支援として親の就労支援や子どもの学習支援、児童扶養手当の機能充実、自治 体窓口のワンストップ化などを訴えてきました。

子どもたちが家庭の経済事情に左右されずに安心して学び、夢を実現するための社会へ、さらなる支援拡大を進めていきます。