感無量でした。


11月20日、福島県土湯温泉で、地元の方々の力による温泉バイナリ発電が竣工。

記念すべきその式典に東京から出席させていただきました。




2011年3月11日の東日本大震災による建物への壊滅的な被害と原発事故による風評被害で、観光客が激減し、風光明媚な温泉街は壊滅的な状況に。


しかし、そこから地元の方々が立ち上がり、震災から約半年後に有志29名で「土湯温泉町復興再生協議会」を設立して、希望ある新たな温泉観光地作りをスタートさせました。


地域資源に着目し、150度もの高温が特徴の温泉を利用したバイナリ発電を計画し、実現に向けて動いてこられました。



国の補助事業を利用したり、金融機関の協力をとりつけたり、さらには、稼働を当初計画から1年以上延期せざるをえないほど障害となった多くの規制を乗り越えて、温泉バイナリ発電も、ついに竣工にいたりました。400kw級と、温泉バイナリ発電では大きな規模です。




土湯の再生可能エネルギー事業は他力本願ではなく、地元の方々が主体者となった純粋な地元資本のみによる事業体が軸になっています。この
温泉発電に先立って、砂防堰堤を活用した小水力発電も今春稼働しており、自給自足に近い発電量となっています。


中心者のお一人であり、土湯で生まれ育った株式会社元気アップつちゆの加藤勝一社長は、挨拶の中で福島県の高校生の創作劇で使われたメッセージを引用されました。


福島に生まれて
福島で育って
福島で働いて
福島で結婚して
福島で子どもを産んで
福島で子どもを育てて
福島で孫を見て
福島でひ孫を見て
福島で最期を過ごす。

それが私の夢なのです。

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震災による危機から土湯の方々が立ち上がり、自分たちの力で乗り越え、確かにその夢を現実のものとしようとされています。

加藤社長も、そして、おそらく携わってきた出席者の全員が、胸にこみあげてくるものを感じた瞬間でした。



2012年から陰ながら応援し続けてきた、土湯温泉の再生可能エネルギーによる復興再生事業。

最初に私を土湯につなげて下さったのは、若松かねしげ参議院議員でした。当時ご自身は浪人中であったにもかかわらず身をなげうって、震災からの復興に全力を尽くしておられました。

その後、総理はじめ多くの政府関係者らが土湯を訪れましたが、最初から携わっていた方が若松議員です。若松議員は2年前に国政復帰を成し遂げ、今は復興副大臣としてこの竣工式に。さらに、若松議員の秘書として福島の再エネに取り組んだ真山ゆういちさんは福島県在住東北ブロック選出の衆議院議員としてこの式典に出席しました。


決して偶然ではないと思います。


若松議員は、福島県を再生可能エネルギー100%にすることを目指しています。私も真山議員も協力して、若松議員を中心に今年書籍も出版しました。


公認会計士でもある若松議員は、「財政の見える化」政策の先駆けであり、再生可能エネルギー・省エネルギー政策に一緒に取り組む、力強い先輩です。



また、土湯には、戦中に東京都荒川区からの学童疎開を受け入れた歴史があり、私の地元である東京とも浅からぬ縁があります。


先日、荒川区でお目にかかった女性が、「4年前に竹谷さんの話を聞いてから土湯に通っています」と、声をかけてくださいました。ありがたいことです。他にも少なからぬ人が東京から土湯に来てくださっています。
一緒に応援して下さる皆さまに感謝でいっぱいです。


土湯に限らず、被災地復興のために「旅行に行くことくらいしかできないけれど」と遠慮がちに仰る人もいます。宿のおかみさんや従業員の方たちは、お客さまが来てくださると元気になります。宿に泊まったり、食べたり、買ったりしてくださることは、確実に被災地の雇用につながっています。そして、復興のために何かしたいと思い続けてくださる真心は、何より大きな励ましになっていくと思います。



福島復興と日本再生に向かって、土湯は希望の光です。

今後も、地球温暖化を防止し、エネルギー自給率を高め、産業・雇用を生み出すために、日本各地で、土湯のように、地域の方々が主役となって、再生可能エネルギー・省エネルギーを推進していけるように、取り組んでいきたいと思います。

どん底とも思われる状況から、不可能と思われるような事業を成し遂げ、周囲に勇気を与えて下さった土湯の皆さまに心から感謝いたします。


土湯の復興町づくりは、今スタートに立ったところだそうです。これから、発電で出るお湯をつかった養殖やハウス栽培を事業化していきます。海外からのインバウンドも取り込んでいくそうです。地域に、若者も安定した生活ができるような雇用をつくっていくのです。

私の地元である東京も、負けないように地域活性化に取り組んでいきます。

そして、これからも東京から、土湯を、福島を、被災地を、応援し続けていきます。