素晴らしい高校生たちから希望をもらいました。




地域の資源を利用して、知恵を絞り、ICTなど最新技術を駆使して、困っている人の役に立てたり、観光や産業振興に役立て、仕事を生み出す。そのために必要な資金の集め方、売り上げの方法、収支計画まで高校生が考え競いあいます。


今年は第二回目。207校から最終審査に残った10組がグランプリ目指して、発表するのを見せていただきました。大人顔負けのレベルの高い大会です。


ファイナリスト10プランは、宮城県農業高等学校、千葉県立千葉商業高等学校、静岡県立静岡農業高等学校、愛知県立五条高等学校、同志社国際高等学校、京都府立桂高等学校、岡山県立倉敷鷲羽高等学校、香川県立高松工芸高等学校、福岡県立福岡工業高等学校、沖縄県立中部農林高等学校が選ばれました。


全て甲乙付けがたい独創的でよく検討されたプランでした。


たとえば、沖縄で昔から食べていて健康長寿になったといわれる芋と葉。農業高校の生徒が苗の低コスト化の方法を考え出しました。


あるいは、景勝の三保松原は、松枯れと廃棄費用が問題になっています。仙人が飲んだという松葉の茶を高校生が開発し、試しに販売すると一日で5万円売れた実績を武器に、ビジネスを計画しました。


さらには、一人暮らしの高齢者に、自宅で植物を育ててもらい、水をやっていることをセンサーで感知し、今日も元気でいることを子どもに知らせる見守りサービス。自分のおじいちゃん、おばあちゃんが元気でいてほしいという優しい思いから生まれたアイデアです。


様々な、独創的なビジネスプランを、ハッピや着物の衣装や、音楽を駆使し、劇を取り入れるなど、観客を飽きさせないようのびのびと発表していました。何度も何度も、練習したに違いありません。

 

私が感銘を受けたのは、社会で困っている人を助けるために何かしたい、そのためにビジネスとして成り立たせようという思いが共通していたことです。




私たち大人は、社会の問題を解決するのに、つい「補助金」など税金に頼る発想になりがちかもしれません。しかし、まずは自分の力でぎりぎりまで知恵を絞り、その上でどうしても不足する部分を一時的に補う、という順番でなければ、予算があるからと不要なものを作ってしまったり、採算性を度外視した計画を立ててしまったり、ということになってしまうこともあります。


今回参加した高校生の皆さんのように、社会問題を解決するための仕事を考える、そしてまずは自分の力でお金を集める、そのため何をすればよいか、お金をなるべくかけずいいものを安く提供するにはどうすればよいかなど、知恵を絞る、行動する、そういう真摯な姿勢が最初にあるべきだと思います。当たり前のことですが忘れがちで大切なことを、改めて、皆さんの姿から教えられました。


仕事を生み出す「地域の創生」は、これからの大きな政治テーマですが、その鍵は、高校生たちの萎縮していない自由な発想、そして、困っている人の役に立ちたいという純粋な思いの中にこそ、あるのではないか、そう感じました。


私たち大人が、無限の可能性をもつ高校生たちの思いと力を潰さず、引き出し、支えていくことができれば、日本の未来は開けていくに違いないと、希望の光を見た思いでした。



また、東京大学発ベンチャー、「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました」で有名な株式会社ユーグレナの出雲充社長の特別講演、そして、出雲社長と自ら手を上げて壇上に上った9人の高校生との意見交換がありました。


白熱した授業ともいうべき内容で、参加した高校生たちの能力が引き出されてくることが予感される素晴らしいものでした。今回、勇気を出して参加した高校生にとって、最高の財産になったことでしょう。


高校生の大きな可能性が溢れ、見ていた大人のほうも、希望と勇気をもらえた大会でした。


参加した皆さん、支えて下さった皆さんに、心から感謝します。


日本政策金融公庫が行っているこのプログラム。昨年度の内容はすでにインターネットで公開されています。よかったらご覧ください。↓
https://www.jfc.go.jp/n/grandprix_awards/


来年もさらに多くの高校生がチャレンジして、果てしなく広がる自分の無限の可能性に気づく機会となることを願います。