生ゴミのバイオマス発電によるFIT(固定価格買取り制度)適用第一号です。

生ゴミや家畜糞尿からからメタンガスをつくり、そのガスを使って発電。

今まで捨てていたものが電気になるという、素晴らしい技術です。

地産地消のエネルギーです。

(写真左から、新治ひで子胎内市議、石山洋子新発田市議、須貝卓也取締役)



電気をつくると、一緒に熱もできます。(コージェネレーション)

大規模な発電所では、その熱はほとんど捨てられています。

こちらでは、熱を捨てずに温水をつくり、ハウス栽培に利用しています。



雪国新潟で生まれ育った、寒さにも強い高品質のパッションフルーツ。



ハウスの横は、日本海の荒波。強い風が吹いていました。

こういう過酷な場所でも作れるということだそうです。



メタンガスをつくると、液肥ができるので、水田に散布して肥料にします。

「液肥だと、畑には使えない」という声を聞き、液肥を固形化することにも成功。

こうすると、運搬も簡単で、畑があればどこでも使えます。

チャレンジ精神に感心しきり。




遠山忠宏社長は、もともと稲作農家のご長男。

平成10年頃から、新しい農業のビジネスモデルを思考し、バイオマス発電と循環型農業の構想は8年年前から。先行するドイツにも足を運んで調査研究を重ねてこられたそうです。

メタン発酵は農業技術に通じるものだそうで、どうすればガス発生量を高められるか、理論と実証から得た優れたノウハウを沢山おもちです。ビジネス化のノウハウも含め、同社の知的財産は奥が深そうです。


(写真左:遠山社長)



女性議員3人で興味深く生ゴミの搬入口を拝見。
午前中に作業が終わり、きれいに清掃されていました。
臭気対策も万全です。

家庭から出る生ゴミの分別には、女性の協力が不可欠です。
今まで捨てていた物がエネルギーに変わるという取り組みを知れば、女性は協力を惜しまないと思います。もちろん、女性だけでなく男性の協力も不可欠ですが、女性は細かい草の根活動が、得意なのです。

地域資源を生かしていく鍵は、女性が握っているのかもしれません。



村上市は、今のところ家庭の生ゴミは分別されず全て焼却処理され、回ってこないということで、こちらでは温泉旅館などの生ゴミや家畜の糞尿などを材料に使っています。

色々なものが入っているので、入り口で取り除かれます。



言われなければ分からない消化槽。2階部分にガスがたまる構造です。
今までは、丸いものしか見たことがありませんでした。



機器部分。シンプルです。余計なところにお金をかけていません。これが重要なことだと思います。



こちらのパッションフルーツは、現在のところ、ご当地か銀座の高級フルーツ店のみで取り扱い。しわしわになると食べ頃だそうです。これができた物語を知ると、味わいも違います。



ジェラートがとても美味しかったです。
初めてパッションフルーツが美味しいと感じました。





全国から視察と引き合いがあり、バイオマス発電と農業のパッケージとして、導入のお手伝いもされているそうです。民間の力でここまで完成させていることに驚き、そして、希望を感じました。



しかし、数々の規制が、このような価値ある取り組みを邪魔をしています。

余計な手間と時間をかけさせる上に、できる範囲も、狭めてしまっています。

それは、生ゴミや家畜糞尿などは「捨てるもの」という、発想の下で昔つくられた規制です。



今や、「捨てるもの」ではなく、貴重な「エネルギー資源」です。

昔はそうだったはずです。




設備機器類も、発電機を除き、国産だそうです。発電機も、マーケットが拡大すれば国産の性能が上がってくることでしょう。

今まで、石油や天然ガスを買っていたお金が減って、かわりに日本でつくった機械を買ったり、日本人が工事をすることで、日本人賃金や所得になり、国内の産業と雇用が増えて高い経済効果が出てきます。

純国産エネルギーで、安定的な電気供給に資するバイオマス発電。



ドイツやオランダやデンマークなどでは、農家がエネルギーを生産することは定着してきているようです。

日本も、これからです。民間には、海外に負けないくらいの知恵と技術と情熱があります。

日本で、民間の力でここまで実現していることを垣間見て、感動を覚えました。

視察を受け入れてくださったことに感謝いたします。



バイオマス発電、さらに、新しい農業ビジネスモデルの発展に向けて、規制緩和に取り組んでいきたいとあらためて決意しました。


※同じように生ゴミなど混合バイオマスでメタンガスを作っている事例は、スウェーデンカールスクーガ市でも民間のガス会社で行われており、昨年視察してまいりました。宜しければこちらもご覧下さい。↓

バイオ天然ガスプラント(スウェーデン・カールスクーガ市)

 

http://ameblo.jp/t-takeya/archive3-201310.html#main