木村真千子市議会議員とご一緒に視察させていただきました。

下水道処理施設でメタンガス生産しているのは全国で300/2200箇所くらいありますが、北広島市は、下水に生ゴミ、し尿・浄化槽汚泥を混合させて一緒に処理している珍しい事例です。(国土交通省によると全国で5例くらいのようです)

生ゴミなどを混合すると、下水単独よりもメタンガス発生量が増加して、効率が上がります。


メリット
・省エネ(消化ガス利用による重油使用量の削減)
・温室効果ガス削減
・生ゴミ減量による一般廃棄物焼却施設の建設コスト削減・燃料費削減
・処理施設統合による維持管理費の削減
・肥料の生産

ざっくり計算して、費用対効果がプラスです。そして、輸入に頼る重油の使用が減り、その分は設備や機器の工事代に置き換わるので、日本国内の産業・雇用にも大きくプラスになります。



貝や卵の殻は配管を著しく損傷してしまい修繕費がかかるため、混入しないように家庭にお願いするとともに、どうしても混ざってくる分を分けるためのプロセスを最初から組み込んいます。コストを抑えて、安定した運営を行うためには、市民のご協力が欠かせません。



メタンガスのタンク。追加設置予定ということでした。



視察が多く、展示も常設されていました。
家庭生ゴミは黄色の袋で回収されます。




最終的に汚泥の乾燥まで施設内で行い産廃コストを削減して、さらに肥料とし市内の農家に安く頒布しています。

「あしる」とは、アイヌ語で、新しい、始まり、という意味で市民からの公募による愛称だそうです。




こちらは、もともとあった下水処理と消化ガス施設はそのまま利用し、そこに生ゴミとし尿・浄化槽汚泥を混合する設備を追加で設置しています。下水処理施設を丸ごと取り替えたわけではありません。

これは、他の処理施設でも普及させやすい点だと思いました。

しかし、下水は国土交通省、家庭ゴミは環境省と、手続きが分かれており、自治体側の大きな負担となっています。また、これによってできた肥料の扱いは、農水省と環境省と二重に規制が存在して、煩雑になり、推進の邪魔をしています。

下水や廃棄物エネルギーを加速化させるには、下水や廃棄物を「資源」として扱い、それにふさわしい法改正と、窓口を一本化するなどの国側の体制整備が必要だ、と感じました。

規制が厳しいために煩雑で時間がかかってしまう手続きを乗り越え、さらに、下水に異物を混入すると微生物処理過程で予期せぬ事が起きる、という難しい技術的課題も解決して、大変なご努力で道を切り開き、問題を越え、そして尚、真摯に改善のお取り組みを続けていらっしゃる北広島市下水処理センター(愛称「あしる」)の職員の皆さまに心から敬意を表します。

貴重な視察の機会をつくってくださった職員の皆さま、そして、つないでくださった公明党木村真千子市議会議員、ありがとうございました。

再エネ・省エネ加速政策に、活かしてまいります。