おすすめBL漫画『口下手は恋に事故る』 | 偏食猫の好きなものを好きなだけ

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羽毛『口下手は恋に事故る』

 

打ち上げで偶然隣に座った愛しのセンパイ。
ほろ酔いの上気した顔があまりに可愛くて、「一晩くらいつき合ってよ(ハシゴ酒)」という
言葉を盛大に勘違いして勢いでホテルに連れ込み、さんざん抱きまくってしまった!
それ以来セフレ関係が続いている。
口下手なせいで告白は毎度失敗、でも心から大好きで…
胸キュン満載のえちえちオフィスラブ!

 

面白すぎてかわいすぎて最後にめちゃくちゃグッとくる  94点

 

今回ご紹介するのは、羽毛先生の『口下手は恋に事故る』です。前回の『溺れるアンチロマンス』に続き(系統は違いますが)、私的に高得点を叩き出してくれた作品。読んでいる時はもちろん、読後感も本当に最高なので、ぜひ読んでみてほしいです。

 

とにかく主人公2人がかわいすぎる!

 

タイトルの「口下手」のまさにお手本のような後輩くん。彼は心の中では大好きな先輩への純粋でひたむきな愛が溢れているのに、口に出るの酷い言葉ばかり。デリカシーのない発言がついつい口をついて出てしまう彼が不憫やら笑えるやら。しかも、見た目もかっこいいけどコワモテなので、さらに勘違いされやすいという・・・。でも、そんな彼が先輩のことが大好きで大好きで、悩んだり一生懸命頑張ったり空回ったりする姿が本当に愛おしくなってきます。

 

一方の先輩は、社内でも有名な超優秀社員で超美人。みんなに一目置かれている存在です。後輩くんにも余裕の対応、と思いきや実は彼も後輩君のことが大好きで、いろいろ心の中ではモダモダしているんですよ!!!!かわいすぎる!!!!そう、先輩は後輩くんに対してはすごく健気で一途で、そして彼もまた口下手なのです!!!!(ただ先輩は口下手といっても、デリカシーのないことは言わない)

 

表紙の帯にもありますが、「めっちゃ強めの両片思い」を極度の口下手2人がしたら、というこのお話。コミカルとキュンがすごい勢いで行き来する2人の描写だけでなく、会話や話運びのテンポの良さが素晴らしく、一気に最後まで読んでしまいます。私はめちゃくちゃ笑いながら読みました。

 

あ、あと周囲の人たちが実はいい働きをしているのも良かったです。会社の人たちが場面場面ですごく重要な役割を負っているんです。特に先輩の幼なじみで同僚の樹が最高でしたね。当て馬か何かと思いきや「え?そっち?その立ち位置!?」みたいな。この樹の存在がまた爆笑なので、ぜひ注目してほしいです。(後輩くんに消されそうになるところとか)

 

と、笑いとともにすごい勢いで進んできたお話が最後、桜祭りの場面から一気にクライマックスにいくんですが、ここは展開、見せ方がやばかったですね。後輩の同僚視点のカットとか、名前とか。いや・・・もうね・・・本当に読んでほしいです。(切実)最高なんで。羽毛先生、センスがすごい。天才だと思います。笑えて、死ぬかと思うほどキュンとさせて、しかも最後もちゃんと笑わせて。

 

そうそう、このあえて名前を出さずにストーリーを進めるって、高度なテクニックなんですよねきっと。エンゾウ先生が『ドラッグレス・セックス 辰巳と戌井Ⅱ』(超名作)のあとがきでそんな感じのことを書かれていて、「なるほど~」と思った記憶。

 

というわけで、羽毛先生の『口下手は恋に事故る』。楽しくてキュンとして、笑いと多幸感が溢れているので、ぜひまだの方は手に取ってください!!続編が始まっているようなので、まだまだ先輩と後輩くんに会えると思うとそちらもうれしいかぎりでございます。