里つばめ『GAPS』
(あらすじ)
「こないだ俺 面白いAV見たんですよね、上司喰っちゃうやつ」
長谷川直幸、37才。
仕事は充実しているものの、反面、私生活はさっぱりで、身体の衰えを自覚しつつある。
片桐 聡、30才。
顔よし、頭よし、性格よし、男女問わず、社内の憧れの王子様。
のはずが、大学生からお金を巻き上げたり、気に入らない相手の車を壊したり、プライベートは破綻しまくりだった!?
夜の公園で、誰も知らない片桐を知ってしまった長谷川の運命は!!
大好き 100億点
里つばめ先生の『GAPS』、私本当に大好きでして。定期的に1巻から読み返しています。全5巻の作品なので読み応えも充分すぎるほど。
表向きは王子様(ハイスペック、優秀、イケメン)だけど、実は中身メチャクチャ(酒女ギャンブルなんでもござれ、犯罪スレスレなことにも躊躇なし、汚部屋)私生活メチャクチャな片桐。とにかくこんなにギャップのある人がこれまでいたでしょうか?てくらい片桐はヤバい。
そのヤバさがこの作品の魅力の一つなんですけどね。とにかく酷いので笑えます。
そんな彼の本当の姿を知ってしまった真面目で善良な上司長谷川さん。本当にとってもいい人だし、いい上司。そんな長谷川さんが片桐に翻弄されまくります。その翻弄されっぷりがまたいいんです。
5巻をかけてじっくり描かれるのは、2人の内面と関係性の変化。
片桐は長谷川さんのことを好きなのですが、(最初は上司としての尊敬とか興味とかから始まってそうだけど)、どんどん執着心独占欲が強くなっていきます。この変化がまず最高!しかも女性関係なんて相当酷かったであろう片桐がグイグイ攻める割にちゃんと「待て」ができているんだから、やっぱり愛を感じます。
一方長谷川さんはグイグイくる片桐にもなかなか応えません。まあ元々彼女がいたくらいですしね。(浮気されてたけど)しかも抱かれる側確定だし。「男として生きてきた年数」のことを言って抵抗してましたけどそれはそうなるよね。この長谷川さんがどうやって片桐のことを好きになっていくのか、受け入れていくのか、その変化の過程が繊細に描かれていくのがまた最高。
2人の関係性が変化していく度に、名場面も増えていくので、ずっとドキドキギュンギュンしながら読めます。また里つばめ先生は動作とか表情で読み取らせるものが多くて、ちょっとしたところで片桐の気持ちとか長谷川さんの気持ちを推し量れるのもとても楽しいのです。
途中、2人をひっかきまわす部下の三浦くんとか、ドMシスコンの先輩とか出てくる脇役キャラも最後。あと『DOGS』の矢島が片桐の幼馴染なのでちょいちょい登場するのも嬉しい!!
好きすぎると語れなくなる病がまた発症してなかなかこの作品の素晴らしさを書けないのがもどかしいのですが、とにかく最高。楽しいし、ギュンギュンするし、必ず幸せな気持ちになれる『GAPS』、超超超おすすめです!!読んでみてください!!!!