現金3000万以上を手元に残したまま孤独死した高齢女性を探った本。

身元が全く不明だった遺体の身元を、執念の取材で明かしていきます。

担当記者2人が、よくもまあここまで調べられたなあ、という印象です。わからなかったことがどんどん明らかになり、するとどんどんわからないことが出てくる。蟻地獄ですね。。。

よく調べている分、なおさら真相が気になってしまうなあ。なぜこの女性がここまで世捨て人に徹底したの?田中という男性は何者?3000万円はどこから来たの?星状のペンダントと中の数字は何?・・・

まさか共同通信、ここで取材終わりとかないよな??

 

”真空のように透徹した孤独である。必要最低限のつながりを保持しただけで、姓を変え、制度からは切り離され、社会から自らの存在を消去したのだ。”

”人間の足跡、生きた痕跡は、必ずどこかに残る。”

 

徹底的に世捨て人に徹したがために、それが他人の興味を引き立てるんだもんね、痕跡も残せずに世を去るってかなり難しいんだね・・・。

自分が世の中に何か足跡を残せているのか、なんて悩む人も多いですが、それ自体が考えすぎなのかもしれないね。

 

話は戻るけど。この女性、本当に一体何者なんだろうか。やはり気になる。

ここまで世捨て人に徹底するさま、建礼門院っぽいし、そんな闇を抱えていたんだろうか。他人の事実としての人生をあまり他人が勝手に想像するのも失礼だと思うのでこれ以上は思い入れないけど、どんなことを日々感じながら過ごしていたのか。

社会に、他人に対してどんな思いを抱えながら過ごしていたのか、気になるなあ。