解熱鎮痛成分のうち、アニリン系、サリチル酸系、プロピオン酸系とご紹介してきましたが、
今回で第4弾ピリン系で最後になりました。
それでは、ピリン系「イソプロピルアンチピリン」の特徴と注意点についてご説明致します。
イソプロピルアンチピリンの効能効果
頭痛、月経痛(生理痛)、歯痛、抜歯後の疼痛、咽喉痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩こり痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、外傷痛の鎮痛、悪寒、発熱時の解熱
痛みをしずめ、熱をさます効果があります。
作用発現時間=約1~2時間
作用持続時間=約4~6時間
解熱・鎮痛作用は、
プロピオン酸系のロキソプロフェンナトリウムに次いで効果が高いとされ、
アスピリンやアセトアミノフェンなどで効果を感じられない場合、
選択肢のひとつとされています。
抗炎症作用は弱いため、
この作用に関しては、アスピリンやイブプロフェンに劣ります。
そのため、イソプロピルアンチピリンは他の解熱鎮痛成分と
組み合わせて配合されることが多いです。
代表的なイソプロピルアンチピリンを含む市販薬は、
「サリドンA」、「セデスハイ」、「セミドン顆粒」などです。
また、第一三共の「サリドンWi」は、
「イソプロピルアンチピリン+イブプロフェン」の複合薬ですので、
すぐれた解熱鎮痛作用とイブプロフェンの抗炎症作用が合わさり、
第2類医薬品の中では、とても強力な解熱鎮痛薬のひとつとなっています。
ピリン系の注意点
ピリン系の成分で特に注意していただきたいのは、
「ピリン疹」と呼ばれる薬疹の副作用です。
かぜ薬や解熱鎮痛薬を服用して
かゆみやピリピリと痛がゆい発疹が出たことのある方はいらっしゃいませんか?
これは、解熱鎮痛成分による副作用で、
特にピリン系のイソプロピルアンチピリンによる
発疹は発生頻度が高いとされています。
ピリン系の成分は解熱鎮痛薬以外にかぜ薬にも含まれています。
アレルギー体質の方や、アレルギー症状が出たことのある方は、
ピリン系医薬品を選択肢から除外してください。
ただ、「ピリン疹」はピリン系だけに発症する副作用ではなく、
非ステロイド性抗炎症薬でも起こる可能性があります。
この場合は、いくら「痛み止め」を使用したくても、
市販薬の対処できる範囲を超えていますので、
お医者さんに相談してください。
アスピリンはピリン系!?
ピリン系と聞いて、抵抗のある方も多いのでないでしょうか?
ピリン系の注意点でお話した通り、
ピリン系の成分はかゆみや発疹といった
アレルギー症状が出やすい医薬品成分として知られています。
そのため、ピリン系ではない成分を選びたいところですが、
成分表示を見てみると「アスピリン」...
「アスピリン」も名前にピリンがついているから
ピリン系なんじゃ...?
いいえ、ピリン系ではありません!
アスピリンはサリチル酸系の成分です!!
昔は、イソプロピルアンチピリン以外にも
ピリン系の成分は一般用医薬品で使用されていましたが、
アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用の報告が
多発したため、使用されなくなりました。
今では、イソプロピルアンチピリンが唯一のピリン系として
市販薬に使用されています。
ピリン系はイソプロピルアンチピリンだけです!
「アンチピリン」
「ピリンではないものがピリン」と覚えましょう!!
いかがですか?
市販薬で使用される解熱鎮痛成分には、
大きく4種類(アニリン系、サリチル酸系、プロピオン酸系、ピリン系)に分類され、
それぞれ異なった特徴を持っています。
「一番良い解熱鎮痛薬はどれですか?」と
聞かれることが多いのですが、
残念ながらありません...
それは、使用する人ひとりひとり体質や効き方、
年齢や使用する際の症状が違うからです。
各成分の特徴と使用上の注意点を理解して、
その時の症状に合ったおくすり選びが出来れば幸いです。
自分では判断しかねる場合は、
ドラッグストアにいる薬剤師や登録販売者など
おくすりの専門家に相談しながら選んでみてください。