前回までに、アニリン系のアセトアミノフェンとアスピリンなどのサリチル酸系の解熱鎮痛成分をご紹介致しました。
今回は、プロピオン酸系の「イブプロフェン」と「ロキソプロフェンナトリウム」の特徴と注意点についてご説明致します。
プロピオン酸系の効能効果
頭痛、月経痛(生理痛)、歯痛、抜歯後の疼痛、咽喉痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩こり痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、外傷痛の鎮痛、悪寒、発熱時の解熱
イブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウムともに
痛みをしずめ、熱をさます効果があります。
また、サリチル酸系と同様にプロピオン酸系も
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されます。
では、それぞれの成分の特徴を見ていきましょう!
イブプロフェン
代表的なイブプロフェンを配合したOTC医薬品は、
「イブA錠」、「リングルアイビー」、「ノーシンピュア」などがあります。
「イブA錠」のイブはイブプロフェンから由来するんですね!
結構、医薬品の商品名は成分名の一部が使用されていたりするので、
成分を覚えたらその製品に何が含まれているかわかったりしますよ!
イブプロフェンは解熱鎮痛作用である「プロスタグランジンの産生の抑制」に働きます。
作用発現時間=約1~2時間
作用持続時間=約3~6時間
アセトアミノフェンやアスピリンより効果が出始めるのに
少し遅いですが、持続性は同じくらいです。
イブプロフェンを使用する場合は、
早い段階で服用する方が良さそうです。
解熱・鎮痛各作用は、アスピリンと同じレベルかそれよりも強いとされ、
胃腸障害もアスピリンより少ないとされています。
解熱鎮痛作用よりも抗炎症作用の方が強いので、
かぜをひいた時ののどの痛みや関節痛など炎症をともなう症状には、
他の成分より効果が高いとされています。
また、イブプロフェンは胎盤関門をカンタンに通過することが出来るため、
子宮への移行性が高く、特に月経痛(生理痛)には効果が高いとされています。
「イブA錠」の効能効果にも、一番最初に月経痛(生理痛)が記載されているのは、このためだと思います。
生理痛に特化した「エルペインコーワ」も
イブプロフェンとブチルスコポラミンの複合剤です。
ロキソプロフェンナトリウム
解熱鎮痛薬の中で、市販薬最強とされている成分です。
同じプロピオン酸系に属するイブプロフェンの上位版と位置づけされているもので、
その効果というと、解熱作用は同じくらいで、
鎮痛、抗炎症作用はイブプロフェンより上まわるとされています。
作用発現時間=約30~50分
作用持続時間=約1.3~2時間
服用後、早く効きますが、他の成分より持続性がありません。
みなさん、歯医者さんで親知らずなど歯を抜いた時や、腰痛とか骨折をした時に、
病院で「痛み止め」としてロキソニンを処方された経験はありませんか?
もともと、医療用として使用されていた成分ですが、
2011年から一般用として解禁になり、
市販でも購入できるようになりました。
いわゆるスイッチOTCです。
ロキソプロフェンナトリウムは、プロドラッグ製剤というもので、
解熱鎮痛薬特有の「胃腸障害」が軽減されています。
プロドラッグ=カラダの中で代謝されることで効果をあらわすクスリ
*通常、医薬品が吸収されるとき、胃や腸で成分が働きかけるので、
胃腸障害などの副作用が引き起こされる。
「ロキソニンS」は第1類医薬品ですので、薬剤師のいる薬局やドラッグストアでしか販売されていません。
購入する場所には、ご注意ください。
服用時の注意点
サリチル酸系と同様イブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウムともに
15歳未満の小児と妊娠後期(出産予定日12週以内)の女性には使用できません。
また、プロピオン酸系は非ステロイド性抗炎症薬のひとつなので、
副作用として、「ぜんそく、発疹、発赤、かゆみ、浮腫など」を引き起こす可能性があります。
アレルギー体質の方は、使用を避けてください。
そして、「まれに重篤な副作用」として
肝機能障害、腎障害、無菌性髄膜炎を発症することがあります。
特に、全身エリテマトーデス、混合性結合組織病の診断を受けた方は、
無菌性髄膜炎になりやすいので、イブプロフェンが含まれている
かぜ薬や痛み止めを使用する前に
必ず病院のお医者さんに相談しましょう。
ロキソニンSを飲んだら胃が荒れた!?
先ほど、ロキソプロフェンナトリウムの特徴では、
プロドラッグ製剤のため、胃腸障害が少ないとお話しました。
しかし、ロキソニンの副作用で検索し、
ブログやいろいろなウェブサイトを見たところ、
「胃が荒れた」とか「胃痛がする」などの報告をしている方が多いようです。
もともとロキソニンは、医療用成分で強い効果がある反面、
副作用のリスクも高い医薬品です。
「ロキソニンS」は単剤で、ロキソプロフェンナトリウムと添加物のみで構成されています。
他の医薬品だと胃腸の負担を減らすため、
制酸成分も一緒に含まれていることが多いですが、
「ロキソニンS」にはロキソプロフェンナトリウム以外配合されていません。
病院でロキソニンが出される場合、
一緒に胃薬を処方されたことありませんか?
わたしは、腰痛持ちなのですが、
ヘルニアになった時は
ロキソニンと胃薬を一緒に処方されます。
プロはロキソニンと胃薬を両方出しますが、
クスリの知識のない一般の方はそのことを知らずに
ロキソニンだけを服用してしまいます。
ロキソニン服用時は、
まず空腹時を避け、なるべく胃に食べ物が入っている状態にして、
胃薬と一緒に飲めば、胃痛などの症状をある程度おさえることができると思います。
ただ、胃薬も何でも良いわけではなく、
飲み合わせで相性が悪いもの(H2ブロッカーなど)もありますので、
薬剤師に相談して選びましょう!