ドローン
 

もう一つのポイントはイランによるドローンのロシアへの輸出である。2022年秋以来、ロシアはイラン製のドローンでウクライナの経済インフラなどを攻撃している。これが、欧米諸国の強い反発を引き起こしている。イランは、ウクライナの戦争では、ロシアに加担した格好になっているからだ。これが、イラン核合意の再建交渉に悪影響を与えている。これまでイランに対して比較的に理解を示してきた欧州諸国が態度を硬化させている。またバイデン政権は、イランとの交渉がますますやりにくくなっている。イラン製のドローンは、ウクライナの人々ばかりでなく核合意再建交渉の将来をも脅かしている。

 

しかも2023年2月には、イランがウランの濃縮率を84パーセントにまで高めたという情報が流れ始めた。核兵器の製造を始めたとの兆候は報道されていないが、イランは潜在的な核兵器製造能力の獲得へと限りなく近づいている。核合意再建交渉は停滞したままである。

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