朝日新聞のWEBRONZAに3月14日に掲載された解説です。ただ全文は、朝日新聞との関係上、高橋のブログにはアップできません。


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高橋和夫の国際政治ブログアメリカの大統領選挙で民主党の候補者指名を争うバーニー・サンダース候補は、ユダヤ人である。ライバルのヒラリー・クリントンはキリスト教徒である。この二人のどちらが、ユダヤ系市民の票を集めるのか、注目される。


アメリカのユダヤ人は伝統的に民主党への支持で知られている。ユダヤ人の票もお金も大半が民主党の候補者へ流れる。


富豪と呼ばれるユダヤ人の存在も知られている。その多くがヒラリー・クリントン支持である。


たとえば為替への投資、見方によれば「投機」で、巨富を築いたジョージ・ソロスはクリントン候補へ多額の寄付をしている。映画監督のスティーブン・スピルバーグもクリントンへ多額の寄付をしている。


このようにヒラリー・クリントンは、ユダヤ系の人々の支持を受けている。こうした支持はビル・クリントンが1992年の大統領選挙に立候補して以来続いている。


娘の婿が表舞台に出ない理由


そしてクリントン家にはユダヤ人がいる。娘のチェルシーの婿のマーク・メズヴィンスキーである。


しかしメズヴィンスキーが表舞台に出ることはない。まるでスポット・ライトを避けているかのようである。あたかも闇が光を避けるようにである。


なぜ、この人物は出てこないのだろう。


家族や親戚を周りにそろえて、候補者の人間味をアッピールするというのは、アメリカの選挙の常道である。共和党の指名を目指すトランプ候補などは、これが効果を表している。本人の性格は下品でも娘が美人なので、ひょっとすると、それほど酷くないのではと思わせる点もある。


それなのに、なぜクリントンの娘婿は出てこないのか。 ・・・・・続きを読む


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高橋和夫
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