ヒーローとダークサイド | モノゴトをオモシロくスルドく見る方法「かふてつの方丈記 」

モノゴトをオモシロくスルドく見る方法「かふてつの方丈記 」

  
How to look everythings essentially
or
Everythings gonna be alright

昨日、「ヒーローについて考えたらコワい結論となっしまい、それは、コワくてここではココでは書けない」、と書いてしまいました。

これは敢えて説明をしなかった訳ですが、やっぱり未消化感というか釈然としない読者の方もいらっしゃるだろうと思います。なので多少なりとも説明しなければならないかと思い、部分的ではありますが書いてみようと思います。

 

その一つがサベツです。


(サベツは、イロイロとある「コワい結論」の一部です。「コワい結論」はサベツだけではありません)

サベツは、制作者自身が作品中で触れているものでもあります。例えば、昨日も書いた帰ってきたウルトラマンの「怪獣使いと少年」もそうだし、あとアメコミの「Xメン」ではサベツを全面にテーマとして出しています。そういうのもあるので、まあ、良いかと。

でもこれはホントはあまり書きたくないので、不快感を持つ方がいらっしゃったら読まなくても構いません。

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言って置くと、私は自分になりにサベツについて一応勉強をしている積もりで、普通の人よりはサベツについての造詣はある積もりです。(でもまだ充分とは言えないと思う)
サベツは一人一人が自分と向かい合い、勉強して理解すべきと思うので、ここでは多くを語る積もりもありません。

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サベツの根源は私を含めて人それぞれが持っている心のダークサイドにあると思います。

サベツは広範囲に及びますが、どれも、私見の範囲で一言に纏めると、

『民衆の不満を逸らす目的や、誤った医学的知見に基づいて、時の権力者が誰もが持っているダークサイドを意図的に利用したという歴史的経緯によって作られたのモノ』なのです。

舌っ足らずなのは判っていますが、敢えて単純化しました。(ホントはそんな単純なものでは無い)
その「時の権力の意図」や「歴史的経緯」についてはそれぞれ勉強して見て下さい。

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例えば、一見突飛に見える例として「屋根の上のバイオリン弾き」もそうです。

そこで描かれるユダヤ人集落は「シュテットル」と呼ばれ、東欧から西ロシアにかけて点在していたようです。「屋根の上のバイオリン弾き」のアナテフカ村は、周りのロシア人・ロシア正教徒と最初は仲良く共存していましたが、最後は排斥されてしまいます。これは、帝政末期のロシア帝国がソビエト革命の萌芽に危機感を覚え、民衆の目を逸らす目的で、政策としてユダヤ人を排斥したという歴史的経緯を描いています。

「時の権力の意図」はあくまでその時のものであり、現在とは当然異なりますが、そうして出来てしまったサベツは現在に至る問題となってしまっているのです。

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また、サベツを意識しながらを正しく理解していないが故に生じてしまう悲しい例もあります。具体的には、「ちび黒サンポ廃刊事件」や「ミゼットプロレス(小人プロレス)」の例です。

これは、サベツを理由としながら、自分の見たくない物、キモチ悪いと思うものを排除してしまうという、「単なるエゴイズム」から生じた事件です。

ミゼットプロレラーは、自らエンターテナーとして誇りを持っていたにもかかわらず、単なるエゴイズムから排斥され、仕事を奪われてしまった訳です。これは非常に悲しい出来事だと思います。

しかし、ミゼットプロレスを排斥したヒトビトは、「身障者が見世物にされて笑われているのは間違っている」と、自分では正義感に基づいていると確信しているのです。

つまり、誤った正義感は悲しい結果を生じさせてしまうことがある訳です。

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故に、「正義の味方」であるヒーロー、は自分の「正義」が果たして「正しい正義」かを自問しなければならなくなります。
そしてヒーローを見る我々自身、自分のダークサイドに向き合わなければならないのです。

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これをまともに真剣にするとかなりシンドい事になります。

だから、「深く考えずに楽しんで観るべき」と結論づけてみました。
でも、観ていると自分の中からひょっこりとダークサイドが顔を出してくることに気づくことがあるかも知れません。としたら、それはそれで大事にして欲しいと思います。

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ついでに言って置くと、私としてはサベツ問題について上記のような認識を持っているため、「ヘイトスピーチ」なんかをしてる連中を見ると本当に腹が立つ。