コメはなぜ高い | 歴史の裏

コメはなぜ高い

 高くして儲けている奴がいる?

 

 「コメを買ったことがありません」と言ってクビになった江藤拓氏の後任農水大臣になった小泉進次郎氏は5月23日、政府備蓄米を競争入札から随意契約に変え、幅広い業者に安値で売り渡し、6月初旬をメドに小売店で備蓄米を「(5キロ)2000円で店頭に並べる」と述べた。石破茂首相は3000円台に下げると言っていたが、さらに一歩進めた。備蓄米を放出しても値上がりし続けているコメの価格は値下がりに転ずるのだろうか。

 

入札価格の2倍以上とは

 コメはなぜこんなに高いのか。コメの5キロ当たりの価格は1年前約2000円だったのに、今では2倍以上になっている。備蓄米を放出しても価格は上がり続けている。専門家や評論家は、根本はコメ不足だと言っているが、どこかでコメの値上がりを狙って出荷調整しているのではないかと国民は疑っている。

 過去3回の備蓄米入札での平均落札価格は2万2477円(5キロ当たり1873円)。政府が備蓄米として2023年産米を買い入れた際の平均価格は約1万3000円(同1083円)だから入札価格は2倍近い。小泉氏は入札をやめ随意契約にして値下がりを狙いうという。

 それにしても1873円で入札したコメがなぜ4200円にもなるのか。農水省は流通経費が掛かるからと説明、メディアもそれを垂れ流している。その通りだとすると、流通経費が2000円以上かかったことになる。昨年の消費者への売値2000円なら、元値がゼロになるではないか。政府の買い入れ価格の1083円で売値約2000円なら流通経費が約1000円になる。入札価格がいくらであろうと流通経費はそれほど変わらないとすれば、1873円で仕入れたものは約2800円が妥当な価格ではないか。4200円とすれば、途中で1400円以上くすねた計算になる。

 

保管料稼ぐ全農

 政府備蓄米と言っても全農の倉庫で保管しているのだろう。だから全農が入札してもコメ自体は倉庫から動かず、所有者が政府から全農に移っただけ。出荷しようと思えばいつでも出荷できるのに出荷していない。4月までに3回の入札で放出した備蓄米は約31トンだが、出荷したのはほぼ半分。あとは倉庫に入ったままだ。

 全農は保管料を稼いでいる。出荷してしまえば保管料が入らなくなるので、出荷しないのではないかと勘繰りたくなる。