車軸データの改ざん
問題は違反の事実でしょう
鉄道会社が、車両の車軸組み立て作業時の圧力を内部の基準値内に収まったようにデータを書き換えていると報じられているが、その扱い方に違和感を覚える。データ改ざんはJR貨物で不正が発覚し、その後JR東海や東京メトロ、都営地下鉄でも不正が行われていることが確認された。よく分からないのは、まるでデータ改ざんが悪いことで、基準値を超えて組立てていることは問題でないような報道の仕方である。
基準値を超えて圧力をかけるとどうなるのか。どうして基準値を超えて圧力をかけるのか。そのリスクとメリットは何なのか。報道を見ている限り読者や視聴者は分からない。
データ改ざんしなければいいのか
車軸の組み立てにはそれぞれ車内で基準値を決めているようだ。基準を超えて圧力をかけると、車軸や車輪の破損の原因になり耐久性が低下する可能性があるから、基準値を超えた場合は一度引き抜いて、再度組み立て直さなければならないが、それをさぼって記録の方を基準値以内で収まったように書き換える不正が長年続いていたようだ。これは列車の安全性にどのような影響があるのだろう。このような不正が長年慣習化していたことを知ると、列車って本当に安全なのだろうかと思う。
メディアはデータ改ざんを報じるのではなく、違反が行われたことを報じなければならないのに、データ改ざんさえしなければ違反してもいいような報道姿勢である。これは自民党の裏金問題でも同じだ。メディアは不記載ばかり取り上げているが、これでは記載さえすれば、どんな汚い金集めも許されてしまうように国民は感じる。メディアを含めた政治への国民の不満はここにあることをメディア関係者は深刻に反省してほしい。