コメがないって | 歴史の裏

コメがないって

  コメはたっぷりある?

 

 スーパーの棚からコメが姿を消している。「令和のコメ騒動」だ。6月末ころから民間在庫が減り、コメマ不足が急速に進んだ。根本原因は減反政策。年々10万トンずつ減らしており、年間1400万トンを超えていた生産量が今や700万トンを切り、このままでは先細りする。食糧安保がい合われている時代に逆行する政策だ。ただ、昨年の作況は平年並みだから、今年は米不足にはならないはず。米騒動の理由はいろいろ上げられているが、真相はよく分からない。

 

政府備蓄米を放出しろ

 いずれにしてもコメを買いたくてもないから、買い占めをしようと思わない人も余分に買っておかないとなくなるという恐怖感を覚える。だから、なおコメがなくなる。 農林水産省は「需給は逼迫していない」と言い、日本全体で見れば、必要な在庫量は確保されている、という。それならスーパーの棚にコメを満たせばいいのだ。国の備蓄米を放出すれば解決する。国の備蓄米は合計約100万トンある。100万トンは日本の米の総需要量838万トンの約8分の1にあたる。国は毎年20万トンずつ備蓄し、5年間で100万トン。古い物から入れ替えていき、5年を過ぎた備蓄米は飼料用となるか、一部は学校給食用などとして提供されている。

 夏を過ぎた古米は品質が落ちるから昨年備蓄したコメ20万トンを市場へ出せばいい。今年の作況予想もほぼ平年並みというから、今不足していても最終的には20万トン余るはずである。今年の備蓄を20万トン増やせばいいだけだ。中には値上がりを狙ってコメの買い占めをしているけしからん業者もいるかもしれないが、政府備蓄米が一挙に市場に出れば思惑が外れコメを安く出さざるを得ない。これで「令和のコメ騒動」は一挙に解決する。

 

国民の困窮にそっぽ

 なぜできないのか。国民がコメ不足で困っているのだから備蓄米を出せばいい。自公政権は緊急事態に備え憲法を改正しようとしているが、備蓄米放出なんて緊急事態法をつくらなくてもすぐにやれる。政府にやる気がないだけのことだ。