尊富士休場
土俵を掘り下げたらいい
大相撲春場所で新入幕力士として110年ぶり優勝の快挙を遂げた尊富士が5月12日から始まる夏場所を休場する。春場所14日目に朝乃山に寄り切られた際、土俵から落ちて痛めた右足の快復が遅れているためだ。真に残念だ。大相撲を見ていると、勝負が決まって土俵から転落する力士が多い。あの重量で高さ55センチの土俵から転落するとけがは避けられないだろう。
かつて観客席は平らだったから観客から見やすくするために土俵を高くしたらしい。それと、高くすれば勝負の決め手となる土俵際の足の位置が勝負審判からもよく見えるためのようだ。今は観客席がすり鉢状になって土俵はその底の部分になっているから上から見やすくなっており、土俵を高くする必要はない。むしろ土俵を深く掘り下げ、土俵から落ちないようにしたらどうか。
大相撲は様式美を見せる興行でもあるから、行司の軍配も勝負審判の物言いも必要だろう。しかし、今は映像技術が発達しているから行司の判断に疑義が出たら、勝負審判が映像で確認すればいい。現実にはその手法を採り入れ、私が「同体、取り直し」と思っても、映像で確認して勝負を決めているらしく取り直しはほとんどない。様式美を維持しつつ力士のけがをなくすようにすべきだ。力士がかわいそうではないか。