柿沢議員疑惑
なぜ地検特捜部なの
東京都江東区の木村弥生前区長の公選法違反に絡み東京地検特捜部は11月16日、前副法相・柿沢未途衆議院議員の地元事務所を捜索した。票を取りまとめる趣旨で区議らに現金を渡した容疑。
警察の所掌なのに
木村前区長の有料ネット広告掲載問題で特捜部が強制捜査に乗り出し、10月26日辞職を表明したとのニュースを見て、私はこれしきの事は警察の仕事で、なぜ地検特捜部が動いたのかに違和感を持った。ネット広告を勧めたのが柿沢氏で、31日に副法相を辞任。その後、複数の区議が柿沢氏から現金を受け取っていたことが判明した。なるほど、特捜部が狙ったのはネット広告ではなく現金配布が公選法違反になるとにらんだからだと分かった。国会議員には開会中の不逮捕特権があるので、特捜部は12月中旬の臨時国会閉会と通常国会開会の間に身柄拘束を狙ってこの時期の事務所捜索になったようだ。
これについて柿沢氏は区長選と同時に行われた陣中見舞いであって国会議員として当然の行為であり、木村氏への支援依頼ではないと主張している。だが、木村氏を支援している区議には1万円で、反対の区議には20万円渡している。
江東版三国志
一連の出来事は分からないことが多い。木村氏の父親は元衆院議員の勉氏。柿沢氏の父親は元外相の弘治衆院議員(故人)。木村、柿沢両氏は江東区を地盤に激しく争った、いわば仇敵。木村弥生氏は衆院比例北関東ブロックで衆院議員をしていたが、2016年、不倫報道で辞任した宮崎謙介氏の後釜として京都3区で2度にわたって立候補し、ずっと京都で政治活動をしていたが、母親の介護を理由に江東区に帰っていた。
今年4月の江東区長選に現役の山崎孝明氏が5選目指して立候補を表明すると、木村氏が対抗馬として出馬を表明した。実は柿沢未途氏が擁立したと言われる。木村、柿沢の両家は敵同士だから、いわば呉越同舟。「江東版三国志」といわれる。ところが山崎氏は告示日4日前の4月12日に死去。長男の一輝氏が出馬を表明、自民党区議全員が推薦した。
同党東京都連会長の萩生田光一・党政調会長が柿沢未途氏に対し木村氏支援を止め、山崎氏への支援を要請するが、柿沼氏は拒否した。次期の衆院議員候補となる東京15区支部長は未定。萩生田氏は柿沢氏に対し山崎氏を支援しないなら支部長を丸川珠代・元五輪担当相に差し替えることを示唆したが、柿沢氏は言うことを聞かなかった。
ああ! 東京地検特捜部