西村大臣トリセツ
会見原稿は誰が書いた?
西村康稔経済産業相の出張時のトリセツ(対応マニュアル)の存在が明らかになって。8月の福島県出張に合わせて作られた「西村経産大臣出張時の注意点【取扱注意】」の表題。「幹部には手持ち資料を厚めに持たせる」など業務に関するものがある一方、「土産物購入が多いため、荷物持ち人員が必要」とか「保冷材の購入及び移動車内の冷房は必須」など土産物購入対応から、帰京時の夕食購入について「弁当購入部隊やサラダ購入部隊の二手に分かれて対応」など、事細かに指示している。
西村氏は6日の記者会見で「過度に私に気を使う必要はないし、このような文書を作成する必要はない」事務方には伝えた」と言った。
サラダ購入部隊
各省庁とも大臣が就任すると対応に苦慮するだろう。この人はメディアを大切にする人か、地元を大切にする人か、内部の説明に耳を傾ける人か、役人の話はあまり聞かない人か、とか、食べ物の好き嫌いや、お茶は熱いのが好きか、ぬるめが好きか。コーヒー党か紅茶党かなど、マニュアルを作っているだろうと想像されるが、これが文書化されていて、表へ出たのは初めてではなかろうか。
西村さんは東大法学部から通産省(現経産省)に入省し衆院議員になったエリート。安倍派の次期領袖候補にも挙がっている。第4次安倍内閣の経済再生担当相時代に秘書官が短時間に複数交代するなど部下にとっては難しい人のようだから、仕える役人としては齟齬があってはいけないと細かなマニュアルを作ったのだろうが、あまりに具体的で細かすぎるので反発した役人の一人がメディアにリークしたのだろう。
朝日新聞が2日付で報じた後、新聞やテレビに取り上げられた。西村さんは6日の閣議後記者会見で冒頭のように説明したが、私はきのう(7日)、その場面をテレビで見ていて違和感を持った。西村さんは説明する時、盛んに下を向いて何かを読んでいるようだった。釈明の文章は誰が書いたのか。この疑問を質問した記者はいなかった。