アマテラスに捧げるレクイエム | 歴史の裏

アマテラスに捧げるレクイエム

  時空を超えたオペラ

 

 10月21日夜、東京都目黒区のパーシモンホールで、音楽劇「アマテラスに捧げるレクイエム」を鑑賞した。NPO法人人力エネルギ研究所(茂木和行代表)の主催。旧知の茂木さんからのお誘いで行ってみた。

 とても面白かった。古事記の高天原伝説を基に、天岩戸隠れのアマテラスの神話がモーツアルトのレクイエムによって「光と死の再生」の音楽劇として現代によみがえる物語。銀河あおいろ星に住むアオヒトが気候変動による熱波や豪雨に苦しむ地球からの危機のシグナルを受ける。水素を使って宇宙を自由に動けるあおいろ星から足こぎ発電バイクに乗って降りたのは、アマテラスが岩戸に隠れ漆黒の闇が訪れた高天原。スサノオが暴れまくって地上はゴミだらけ。アオヒトは高天原の神々と力を合わせ、アマテラスを再び岩戸から現れさせ、地上に光を取り戻した。宇宙、高天原、現代を時空を超えて結び付けた壮大なオペラ。

 プロデュースと脚本は茂木和行、演奏はやまと国際フィルハーモニー楽団、合唱はヤマト国際オペラ合唱団。一流のソロリスト4人が出演した。特に合唱がよかった。マスクを着けているのに、しっかりした演奏になっているのに驚いた。日本初公演とはいえ、出演者が70~80人いたのに、定員1200人のホールに観客は30人前後と寂しい。あまり見られないオペラなのに残念だった。