歴史的な米朝首脳会談
驚く妻の反応
きょう(2119.6.30)午後、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩委員長が板門店(パンムンジョム)の軍事境界線で握手し、その後、1時間近く会談した。両首脳が会うのは4カ月ぶり3度目だが、アメリカの現職大統領が軍事境界線をまたいで北朝鮮側に入ったのは史上初めて。
この歴史的出来事のテレビ生中継を夫婦で見ていた。ところが、両首脳が握手の後、仲良く韓国側の建物に入って会談を始めると、妻は「バーン!はないの」と興味を失い、生中継を見ている私を置いて買い物に行くという。夕方の買い物はいつも2人で行っているので、私は「この会談が終わったら一緒に行く」と言ったが、妻は1人で出かけてしまった。しかも「疲れたから、きょうはハンバーグ」だと言う。私は「ハンバーグは手間がかかるから大変だよ」と言うが、聞きもしない。ハンバーグを手作りした人は分かるだろうが、まず玉ねぎをキツネ色まで根気よく炒めた後、ひき肉と混ぜ合わせて粘りが出るまで練らなくてはいけない。しかも和風だと大根おろしもすらなくてはいけない。「疲れた」時にはやりたくない料理だ。
歴史的瞬間よりハンバーグ
この会談は、G20に出席したトランプ大統領がきのう(29日)朝、ツイッターで発信。その後、サウジアラビアの皇太子と会談の中で「金委員長と会いたい。2分間でもいい」と発言していた。金委員長がそれを見て会談に応じたという、「エッと」驚く展開だった。トランプさんは来年の大統領選を見据えてのパフォーマンスなのだろうが、世界の歴史が変わるかもしれない瞬間を実況放送で見ているのだから、買い物どころではないというのが私の気持ちだ。買い物から帰った妻のハンバーグづくりを多少手伝ったものの、テレビを見ている私に「これでいい?」とスープや取り合わせの味を聞きに来る。妻とは50年以上一緒に生活しているが、この気持ちが分からない。女一般に敷衍すると怒られるかもしれないが、いったい何なのだろう。