自己表現Ⅱ | 歴史の裏

自己表現Ⅱ

文章の目標

 

文章はスピーチと並んで自己表現にとって大切な道具。ただ、文章が講演やスピーチなど話すこととの根本的な違いは、その場限りでなく何度も読み返すことができること、さらに重要なことは記録として残り、コピーなどによって拡散され、本人の意図しない影響を及ぼすことである。最近は話したことも録音されて後で影響を及ぼす例がある。政治家の発言などがよい例で、昔と違い記録として残ってしまう。

 

感性と理性に訴える

話しと文章の違いは、話しがどちらかと言えば感性に訴えるのに対し、文章は感性に訴えるだけでは十分ではなく、理性の批判にも耐えられなければならないことだ。これを考えると、文章を書くことは重要であるばかりでなく大変難しい。自分の意思が正確に伝わらないと誤解を生じさせる。自分はそういうつもりで書いたのではないと思っても相手が誤解すれば誤って伝わってしまい、結局は自分が損をする。そのためには、話しと同様、伝えたい意思をしっかりと持ち「達意の文」に心掛けなければいけない。

 

易しく書く

その上で、文章は子供でも分かるようになるべく易しく書こう。哲学的な難しい内容を含んでいても努力すれば易しく書ける。難解で分かりにくい哲学者も講演となれば、一般の人にも分かるように話す。だから、文章も話すように書けばいい。それを難しく書くのは自分がその内容を十分に理解していない証拠なのだ。分かりにくい内容は例え話をすれば分かりやすくなる。内容から少し違ってしまうかもしれないが、全く理解されないよりましだ。