緊迫するアジア情勢
冷戦状態と認識する
2月24日、毎日新聞客員編集委員の金子秀敏氏から「緊迫するアジア情勢」の話を聞いた。簡潔に結論を言えば、現状は1962年(キューバ危機のあった年)と同じ冷戦状態であるということ。1962年当時の冷戦は米ソによるものだが、現在の冷戦は米中によるものだ。このことはヨーロッパでは常識になっているが、日本では政治家もマスメディアも認識しておらず、判断を誤る基になっている。南シナ海を巡る米中のせめぎあい、アメリカによる韓国への迎撃ミサイルTHAAD配置、イージス艦の沿岸配置、韓国を巡る米中の綱引き、日本の従軍慰安婦や拉致問題、尖閣諸島海域への中国進出など、すべての現象が新たな冷戦状態の現れであるというのが金子さんの説である。
アメリカは対米ミサイルが200~250発を持つ国とは戦えない。アメリカの5万人以上の都市を同時攻撃できるからだ。これが「恐怖の均衡」である。「強軍大国」を掲げる中国は昨年8月末に原潜「巨浪2号」から米大陸に到達する弾道ミサイルの発射に成功。9月3日の対日戦争勝利記念日の軍事パレードで披露した。このミサイルは8~10発の多弾頭なので巨浪2号が3隻あればアメリカの主要都市を同時攻撃できることになる。出撃用の秘密基地は海南島の地下にあるという。海南島で米偵察機が撃墜されたのはこのためだ。
アメリカは中国のミサイル防衛のためのネットワークを日、韓、フィリピンへつくろうとBANDレーダーを設置、北朝鮮対応の名目で中国の広範囲をとらえられるTHAAD配備を言い出した。日本の集団的自衛権もその一環で、金子さんよると、集団的自衛権とは自衛隊が米軍の指揮下に入ることを意味している。
この冷戦は、G7(日米英独仏伊加)とBRICs(伯露印中、南アフリカ)との対立でもある。東アジアをめぐる情勢は恐ろしい事態に入ろうとしている。
2月24日、毎日新聞客員編集委員の金子秀敏氏から「緊迫するアジア情勢」の話を聞いた。簡潔に結論を言えば、現状は1962年(キューバ危機のあった年)と同じ冷戦状態であるということ。1962年当時の冷戦は米ソによるものだが、現在の冷戦は米中によるものだ。このことはヨーロッパでは常識になっているが、日本では政治家もマスメディアも認識しておらず、判断を誤る基になっている。南シナ海を巡る米中のせめぎあい、アメリカによる韓国への迎撃ミサイルTHAAD配置、イージス艦の沿岸配置、韓国を巡る米中の綱引き、日本の従軍慰安婦や拉致問題、尖閣諸島海域への中国進出など、すべての現象が新たな冷戦状態の現れであるというのが金子さんの説である。
アメリカは対米ミサイルが200~250発を持つ国とは戦えない。アメリカの5万人以上の都市を同時攻撃できるからだ。これが「恐怖の均衡」である。「強軍大国」を掲げる中国は昨年8月末に原潜「巨浪2号」から米大陸に到達する弾道ミサイルの発射に成功。9月3日の対日戦争勝利記念日の軍事パレードで披露した。このミサイルは8~10発の多弾頭なので巨浪2号が3隻あればアメリカの主要都市を同時攻撃できることになる。出撃用の秘密基地は海南島の地下にあるという。海南島で米偵察機が撃墜されたのはこのためだ。
アメリカは中国のミサイル防衛のためのネットワークを日、韓、フィリピンへつくろうとBANDレーダーを設置、北朝鮮対応の名目で中国の広範囲をとらえられるTHAAD配備を言い出した。日本の集団的自衛権もその一環で、金子さんよると、集団的自衛権とは自衛隊が米軍の指揮下に入ることを意味している。
この冷戦は、G7(日米英独仏伊加)とBRICs(伯露印中、南アフリカ)との対立でもある。東アジアをめぐる情勢は恐ろしい事態に入ろうとしている。