誕生会 | 歴史の裏

誕生会

やればいい?


 きのう(8月29日)、姉が入所している介護付き老人ホームで誕生会があったので行ってみた。この施設では、誕生月を迎える人のために誕生会をやっている。入所者の励みにもなり、ありがたいことだ。中には自分の誕生月だということも分からない人もいた。一方で、祝う側なのに自分の誕生会をやってくれるのだと思い、祝われる側の席に座ってしまう人もいて、年取るとはこういうことかと考えさせられた。
 昨年までは、外部のボランティアを招いて演奏をしたり、施設全体のイベントという感じで盛大にやっていたが、今年はちょっと違った。例年だと、始まる前にヘルパーが呼びに来てくれるのだが、始まる予定の2時の10分前になっても誰も部屋に呼びに来ない。日にちを間違えたのかと不安になって、誕生会が開かれる1F玄関ホールに様子を見に行くと介護職員2人が何か準備していた。「誕生会は2時からでしたね」と聞くと、時計を見て「ええ」と答えたが、慌てる様子もない。部屋へ帰って姉を車いすに乗せ、ホールへ行ったが、一向に始まらない。壁に張り出された名簿を見ると8月生まれは姉を含め9人いるが、まだ対象者全員が集まらず、2時になってから職員が迎えに行き、2時20分過ぎにやっと始まった。
 以前の支配人(施設長)はお祝いの言葉を述べたり、支配人自らかくし芸をしていたが、今年は支配人は顔を出さなかった。彼は誕生会の時間中に、玄関ホールに集まった人の間を横切ってどこかへ行ったが、誕生会そのものには見向きもしなかった。その上、ケアマネジャーや看護職員も出席しない。介護職員3人だけで対象者の写真を張った色紙を渡し、クイズを出したり、全員で小学校唱歌を歌った。施設としてのイベントではなく、介護職員が勝手にやっている感じ。こういうイベントは「やればいい」というものではあるまい。入所者を励ますため、施設全体として取り組んでいるという姿勢が大切ではないか。「うちでは年間行事として毎月誕生会をやってます」というアリバイづくりのような気がして嫌だった。