飼育 | 歴史の裏

飼育

脱走が絶えない




 アゲハの飼育は3つの飼育箱を使っている。大きな箱(16.5㌢、横21㌢、深さ17)2つと、小さな箱(13×21×13)。幼虫は柑橘類の葉っぱを真ん中の主脈を残してすべて食べ、食べた後は細い主脈だけが残る。最盛期には日に3回も葉っぱを補給しなければならないほど食欲旺盛だ。生まれたばかりの真っ黒な幼虫は糞と間違えるくらい小さく、葉っぱごと大きくなったイモムシに食べられてしまうようなので、食べられなくなるくらい(大きさ5㍉以上)までは小さな箱に入れておき、大きくなったら、大きな箱で飼う。幼虫がサナギ羽化の際、体液をかなり出すので飼育箱が汚れる。最初のサナギが羽化するようになったら、その箱はサナギ専用とし、これまでの箱はまだサナギにならない幼虫用にする。


 飼育箱のふたには空気用の隙間があり、隙間の幅は大きな箱は約15㍉、小さな箱は約1㍉。その隙間から天敵の羽虫が入り込んでサナギに卵を産み付ける。アゲハの幼虫も結構脱走する。飼育する幼虫は多いときは100匹にもなるが、そのころになると10匹も脱走してしまう。気が付けば箱へ戻すが、ゆっくり這っているようで結構速いから、いなくなってしまう幼虫も多い。だから、部屋の中でチョウが舞っていることがある。脱走した幼虫がカーテンの間なんかにいて羽化するのだろう。