卵から羽化まで
約5週間
アゲハは柑橘類の葉に5月中旬ころから直径1~1・5㍉の卵を産む。卵は1週間で孵化し1㍉ほどの幼虫になる。糞と間違えるほどの黒さ。天敵に食べられないための擬態なのだろう。天敵はスズメとハチ。幼虫のうちにほとんど食べられ、一説によると羽化率は1%くらいだという。年によって差があるものの、私の飼育では6~8割は羽化している。自然の少なくなった東京でせめてチョウくらいは飛ばせたい。真っ黒だった幼虫はやがて脱皮し黒に白い帯の入った縞模様になる。1週間後くらいに緑に黒い帯の入ったイモムシに変態する。その後、緑色や茶か黒のサナギになる。産卵からサナギまでは約3週間。サナギから約2週間後にチョウになる。初めは卵を取ってきて飼育してみたが、卵は飼育箱の中で干からびてしまうので、幼虫になってから取るようにしている。
羽化しても羽が濡れているので、すぐには飛び立てない。私は網戸の外側につかまらせている。半日後くらいには飛び立つが、飛び立ったチョウに手を出すと指の先に止まるものがいる。私を母親だと思っているのかもしてない。驚いたことに、まだ羽が乾かないうちに網戸に他のチョウ(たぶんオス)が来て合体してしまう。中には合体しているのに他のチョウが割り込もうとする。チョウになったときはすでに成虫なのだろう。すぐに卵を産むようだ。寿命は分からないが、子孫を残すと他の昆虫と同じように死んでしまうらしい。華やかなチョウとしての寿命はごく短いようだ。