成年後見人 | 歴史の裏

成年後見人

法曹界の互助システム?


 重度心身障害者の娘のいる知人がいる。前に、このブログで書いたことがあるが、生まれた時からの重度障害で、目も見えず、口も利けず、体も手足も動かせない。言い方は悪いが「生きている置物」といった状態だが、手厚い看護により今34歳。この娘には国と東京都から障害者手当が月間10万円近く出ているようだ。親はずっと手当を使わず、子供名義で積み立て、3000万円にもなった。うっかりしていたが、成年になってからも名義を替えてなかったのが裏目に出た。せっかく子供のために積み立てた金を親が下ろせず、氷漬けになった。

先日、親が成年後見人になろうと、家庭裁判所へ行ったところ、額が大きいので親は成年後見人になれないと言われた。さらに、成年後見人を立てないと、国と都から毎月支払われる障害者手当もおろして使えない。成年後見人の手当は裁判所と選任された弁護士の間で勝手に決めるらしい。管理財額が1000を超え5000以下の場合、基本報酬額の目安は月額3万~4万円らしい。知人は馬鹿らしいから成年後見人申請を取り下げた。おかしくないか。せっかく国が障害者のために支払う手当なのに、障害を持つ子供のために使えない。もし、成年後見人を立てれば、障害者手当の相当部分が障害者のためでなく弁護士に支払われることになる。こんな障害者手当なら、やめた方がいい。