国会議員の仕事 | 歴史の裏

国会議員の仕事

資料を読む政治家 


 テレビのニュースや国会中継を見ていると、うんざりする。自民党から共産党まで質問者は用意した原稿を読み上げ、答弁する首相らも下を向いて文書を読み上げている。国民の大半は知らないだろうが、実は国会には、文書は朗読してはいけない規則がある。衆議院規則133





 会議においては、意見書又は理由書を朗読する                     ことはできない。但し、引証又は報告のために簡単な文書を朗読することは、この限りでない





とあり、参議院規則103にも





 会議においては、文書を朗読することができない。但し、引証又は報告のためにする簡単な文書は、この限りでない





という規定がある。なら、今の政治家たちがやっていることは何なんだ!


 規則違反というだけでなく「意見」を述べているのではないことになる。朗読しているのは「引証」なのだろう。誰か(元の原稿は各省の課長補佐が作ったものだろう)が書いたものを読み上げるだけ。日本の国会はこれが常態化しているから新聞、テレビも疑問を感じないようだ。しかも記者たちは事前に入手した朗読原稿を基に記事を書いているから痛痒を感じていないに違いない。ひどいのになると、答弁漏れがあっても元原稿で記事を書くから、答弁しないものまで新聞に掲載されてしまうという笑えない話まである。


 このブログで何度も指摘してきたが、日本では書いたものや言ったことは信用できない。行なっていることが本音であり実態なのだ。東日本大震災で国会は何をしているのかと非難する声があるが、彼らは始めから震災被災者のことなんか考えていない。国会議員は自分の意見を言わず誰かが用意した文書を読み上げるのが仕事だと思っているからだ。