様変わりの世
対話がない
世の中が異常になっている。親殺し・子殺し、夫殺し・妻殺しはもう驚かない。無差別殺人や通り魔的犯行、小中学生や老人による万引きの増加、年間3万人以上の自殺と異常なことを数えるとキリがない。うつ病も増えているらしい。日常でも異常な行動をとる人によく出会うようになった。席を占拠する小学生の団体については前に書いた(2011.6.28)。先日も中学生10人ほどのスポーツグループが座席を占拠していた。ほとんどが携帯でゲームをやっている。前に老人が立っても譲ろうとしない。この子たちの指導者はスポーツの技だけを教え、社会でのマナーは教えていないのだろうか。
駅の改札口から吐き出された若者が前を横切った中年男性を手で勢いよく払いのけた。払いのけられた男性は一瞬何が起きたか分からない様子だった。満員電車に乗ると、後ろから押される。私は流れに任せている。内側の人へ自動的に圧力がかかるのは当然だろう。すると、腕や腰で押し返す人がいる。
スーパーでレジに並んだ時のこと、30代の女性はレジが始まってもレジのこちら側にいた。私は買い物が多く重かったので、レジ台に買い物かごを載せた。その際、女性の体に少し触れたようだ。彼女は肘で私を押し返し睨みつけた。普通の人はレジが始まると、レジの反対側に移り、次の人の買い物かごがレジ台に載せられるにしている。彼女が普通の人のように、レジの向こう側に移っていれば、彼女の体に触れることはなかったはずだ。自分の行為は棚に上げて全部人が悪いと思っているんだろうか。この経験以来、レジの列を見ていると、レジが始まっても移動しない人が結構いる。後ろの人は買い物かごを置けず待っている。
ITが発達して、他人と口を利かなくても用を足せることが多くなった。人との付き合いができない、あるいは下手な人種が増えているのだろうか。人間は機械ではない。感情のある動物である。人と付き合うには人と対話するしかない。その中からいろんなことが学べるのに、現代人はそれを怠っていて、しかも必要性に気づいていないのだろう。