沖縄基地と安保 | 歴史の裏

沖縄基地と安保

  頭の中まで占領されて65

 710日、「コスタリカに学ぶ会」の定例学習会が東京・豊洲文化センターであった。講師は平山基生さん(沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動運営委員長)。テーマは「沖縄基地と安保」。平山さんは普天間基地の滑走路西端に近い場所に家を借りて、1カ月ごとに東京と往復する生活。その体験から普天間基地が「世界1」危険な基地だとレポートした。住宅地のど真ん中にある基地なんて世界中にない。生活していると1分おきぐらいにヘリ離着陸音が聞こえ、その都度仕事を中断せざるを得ない。普天間第2小学校は滑走路の北側に隣接していて、本来は立ち入り禁止区域内にある異常さ。

 普天間基地は1945年、沖縄戦で上陸した米軍がそのまま居座った、いわば占領がそのまま続いている状態だ。米軍は「基地を作った当時は無人だった」と主張しているが、実は基地造成直前に基地予定地内の住民は全員、基地南側の地区に収容されたから、確かに「無人だった」と言える。住宅地と耕作地を囲い込んで基地を造り、収容から解放された住民が自宅に帰ろうとしたときには基地ができていて入れなかった。

 「日本の基地の75%が沖縄にある」と言われるが、平山さんによると、それは正確ではなく、面積で75%であって基地数では本土が75%、沖縄は25%。世界中にある米軍基地は約1000カ所。そのうち131カ所が日本にある。日本全体が世界の米軍基地の多くを受け持たされている。なぜか。それは日本の基地負担金が多く、アメリカにとって経済的に安上がりだからだ。基地負担率は日本が75%、ドイツは30%。日米地位協定によって基地内は治外法権。日本政府が管理できない米軍を入れたのは政府の責任だが、世界に対しては国民の責任であるという。

平山さんは、敗戦によってアメリカに占領され続けて65年。日本人は頭の中まで占領されてしまった。それは「安保があるのは当然」「日本の安全のために米軍がいるのは当然」、「米軍がいないと日本は中国や北朝鮮に侵略されてしまう」という考えに日本人が凝り固まり、それに疑問を感じなくなってしまった現状を指摘したのであろう。

世界1の外貨準備高を誇りアメリカの最大輸出国である中国が日本を攻めてアメリカと事を構えるメリットはない。また、そうした状況下で北朝鮮が日本を侵略しようとしても中国はかつてのように北朝鮮を支援してアメリカと戦うことはないだろう。北朝鮮単独では日本を攻撃する力はない。北朝鮮がミサイルや核武装をするのは、日本にある米軍が怖いからで、米軍がなければそうした軍備増強をする必要はなく、日本国民は危機にさらされないですむ。