雅子 | 歴史の裏

雅子

 雅子

雅子

あなたは 私の伴侶

広大な宇宙の中から来たり

悠遠の流れの彼方へ

去らんとするか

雅子

あなたは 私の伴侶

あるときは 母のように 労わり

あるときは 妹のように 拗ねてみせ

あるときは 恋人のように 甘え

あるときは 生徒のように 物を聞き

あるときは 小馬鹿にしたように 笑う

昼間は働き 話し 食べ

泣き 笑い さんざめく

喜び 怒り 哀しみ 楽しむ

夜は 淫乱の限りを尽くし

朝は けろりとしている

雅子

あなたは 私の伴侶

人の困ることは 忘れてやり

人の喜ぶことは 憶えている

選ぶときは 徹底的に選び

捨てるときは あっさりと捨てる

あまり 物にこだわらず

時として ひどく こだわる

子を叱るときは 突如として叱り

機嫌のいいときは いつまでも遊ぶ

喧嘩をすれば 実家へ帰る

と脅かし

翌朝は ゴメンナサイ 

と謝る

大事なことは すぐ忘れ

つまらぬことは いつまでも憶えている

雅子

あなたは 私の伴侶

この不可思議な 生き物

あなたは 正に人間だ

あなたは 正に女だ

あなたは 正に妻だ

あなたは 正に母だ

雅子

あなたは 私の伴侶

悠遠の流れの中から来たり

広大な宇宙の彼方へ 去らんとするか