軍備Ⅳ | 歴史の裏

軍備Ⅳ

   クラスター爆弾

アイルランドのダブリンで約110カ国が参加してクラスター爆弾禁止条約作りを協議していた「オスロ・プロセス」会議は5月28日、事実上の即時全面禁止となる条約案に合意した。日本も署名した。珍しいことに、ほとんど何も決断できない福田康夫首相の決断だった。福田さん、実はクラスター爆弾のことをよく知らなかったようだ。公明党の浜四津さんが説明すると、「こんな物が空からバラバラと落ちてくるんですか」と聞いたという。その一部が不発弾となって一般市民が犠牲になっていることを聞いてびっくりし、禁止条約案に同意した。戦後、アメリカの顔色を窺って外交を進めていた日本としては画期的なことだ。

クラスター爆弾禁止条約について、おっちょこちょいの産経新聞は、日本の抑止力が低下すると反対の論調を展開している。バカ言っちゃいけない。1発の爆弾から数十から数百の子爆弾がばらまかれるクラスター爆弾は攻撃用には威力を発揮するが、日本の国是である「専守防衛」には何の役にも立たない。海空自衛隊の装備がほぼ全滅し、敵が上陸するとき、襲来する敵兵にばらまくという。だが、自衛隊の装備が全滅していたら、ばらまく航空機は残っていないではないか。

日本は四方を海に囲まれている。大平洋戦争で経験済みだが、敵が上陸するまでには日本の軍隊はほぼ全滅され、主要都市も壊滅状態。残っているのは老人と子供、それに竹槍ぐらいだ。また「竹槍」方式で人が山の上まで担ぎ上げてばらまくのか。特攻隊じゃあるまいし、相手をやっつける前に自分らがクラスター爆弾の犠牲になるのがオチだ。そんな兵器は何の役にもたたない。うっかりしていたが、そんな使い物にならない兵器が日本には1万発以上もあるらしい。

◇攻撃は最大の防御

 日本は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と憲法9条で定め、第2項で「前項の目的を達するため、陸海軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」としている。それなら世界第5位の軍事費を使っている自衛隊は一体何なのか。戦えない軍隊「戦力なき軍隊」だという。いくらこじつけてもそんなバカな理屈は成り立たない。

日本の軍備は「専守防衛」のためにあるのだという。敵から攻撃されるのを防ぐだけだ。敵の基地は攻撃できない。敵が攻撃を始めれば、日本の基地は瞬く間に使い物にならなくなる。航空機は飛び立てないし、軍艦は沈没される。場合によって山奥を除き日本国中、放射能で汚染され、敵軍だって上陸をためらうだろう。敵が上陸するまでには日本の軍隊は壊滅させられているはずだ。「専守防衛」のためなら、海自も陸自も要らない。スパイ衛星と迎撃ミサイルだけあればいい。

戦争は「先手必勝」「攻撃こそ最大の防御」である。これをハワイで実行したから、日本は緒戦に赫々たる戦果を上げられたのだ。敵が日本を攻撃しようとしたら、先に相手を叩けなければ意味がない。敵基地を攻撃できない軍隊なんて「オモチャ」に過ぎない。5兆円近い金を掛けたオモチャなんて要らない。そんな金があるなら、姨捨医療制度なんてやめ、ワーキングプアを助けてやった方が国民のためになる。

(これに異論のある人は軍備Ⅰ~Ⅲを読んでからにしてほしい)