おかしな言葉
~~してもらっていいですか
いつの頃からこんなおかしな言葉が使われ出したのだろうか。若い人たちが「それで~」と語尾を伸ばす言い方や「せんせい?」と疑問符を付けるような言い方をするようになってからのような気がする。
年のせいか、こんな言葉に出会うと、嫌気が差す。こんな言葉では感情をうまく言い表せないような気がする。事故で夫を亡くした女性が話すのをテレビで聞いたが、悲しみの実感が伝わってこなかった。「きのう~、主人が~くるま?に~はねられて死んでしまったの~。悲しくて~悲しくて~」。声に出して言ってみると分かるが、少しも悲しく聞こえてこない。
偏見かもしれないが、まだ若い女の子だったら、仕方がないと思うが、中年の男女が使うと、「いい年をして~」と思ってしまう。また、アナウンサーや俳優など、言葉を仕事にしている人たちが、自分の言葉でしゃべるときに、こんな言い方で話されると、「プロの癖して~」と、それまで好きだった女優やアナウンサーが一気に嫌いになる。朝のNHK「おはよう日本」のメーンアナウンサーがレポーターの報告に対し「ウーン」とか「フゥーン」とか相づちを打つのも耳障りだ。語彙が少ないせいだろう。
先日、入院したときに看護師たちが「熱を計ってもらっていいですか」とか「診察室へ来てもらっていいですか」とか、盛んに「~~してもらっていいですか」という言葉を使う。若い人の間でかなり使われている。一見、相手の意思を尊重しているように聞こえるが、おかしい。もし「いやだ」と言ったらどうするんだろう。拒否できないのだから、「して下さい」と言うべきだ。なぜ、こんなおかしな日本語がはやるようになったのか。
言葉は時代とともに変化することは十分理解して居るつもりだが、日本語本来の美しさが失われるような気がしてならない。年をとったせいだろうか。