入院Ⅱ
教授回診
11月26日に手術。手術室に入ったのは午後1時半で、出たのは3時45分。しかし、麻酔や事後処理があったので、実際の手術時間は1時間15分だった。
前立腺は普通の人は20グラムくらいだが、私のは55グラムに肥大、尿道を圧迫して、尿が出づらくなっていた。4年前からハルナールという薬を飲んでいたが、薬物療法では限界だと、手術になった。手術は内視鏡により内側から肥大した前立腺を削っていく。麻酔薬の痛み止めが猛烈痛かったが、手術そのものは全く痛まず、事後も痛みはなかった。
27日夜にカテーテルの出口に血が固まって尿が出なくなり大きな注射器で3回も吸い出してもらった。尿意がものすごく、脂汗が出た。入院中、これが一番辛かった。28日午前10時半にカテーテルを抜去したが、翌日夜も2度にわたって、出口が詰まったため、29日午後11時15分にカテーテルを再挿入した。私のは出口が狭く、そこを血糊が塞いでしまうらしい。最終的にカテーテルを抜いたのは手術5日後の12月1日朝だった。
2度目のカテーテルを入れた翌30日午前に教授回診があった。2度目のカテーテルは初回より少し細めだったようで、挿入口から尿が漏れ、パンツを濡らした。午前8時半ごろ、中年の看護師に措置を依頼した。「部屋へお伺いします」と言ったきり、音沙汰がない。忘れられたと思い、9時ごろ男性の看護師に催促すると、「先生が、太い管に替えると仰っていますので、10時ごろになります」という。11時過ぎ、教授回診があったが、その後音沙汰なし。
午後1時半ごろ、尿の回収にきた男性看護師が「あっ!」と言った。「まだ、カテーテル替えていませんね」という。「先生は今点滴中なので、もうしばらくお待ち下さい」。結局、2時5分にカテーテル挿入口を消毒し、周りにパッドを巻き付けて終わり。管の取り替えはなかった。これだけなら、医師でなく、看護師でも出来ることだ。
病院の理念には「「患者本位」の医療サービスをうたっている。言葉はどうでもいい。実際に何をサービスするかだ。私が受けた仕打ちなら、理念を「教授本位」と改めた方が実情にあっている。