今日のテーマは、北極圏での試み、掘削リグを海面から海底へ(Moving Drilling Rigs to the Arctic Seafloorについてです。
北極圏(Arctic)には、およそ900億バレルに上る可採石油(recoverable oil)と1,670兆平方フィートに及ぶ天然ガス(natural gas)が埋蔵されているといわれています。これは世界の未発見資源量(undiscovered resources)のほぼ4分の1。地球温暖化(global warming)により、夏季海氷(summer sea ice)が1979年以来30%減少している状況を受けて、大手石油ガス企業は新たな資源開拓にしのぎを削っています。
従来、海洋底油田(seafloor oilfield)には海表面に浮くプラットフォーム(platform)型掘削リグ(drilling rig)が使われてきました。しかし、大型氷山(iceberg)と突風に特徴付けられる北極圏には問題が多く、そのため氷や天候の変化に影響されない海床(seabed)に直接石油ガス生産設備を置く方法が模索されています。
海床に掘削設備を設けることは、陸上など影響を受けやすい環境(sensitive environment)における生産活動を回避できるという点でも優れています。またプラットフォームを必要としない、より小規模な設備で遠隔操作(remote operation)による掘削が可能なため、経済的メリットも大きいと考えられます。
ただし、漏出(spill)あった場合、拡散(diffusion)を止める作業は従来型掘削リグと同様、悪天候や海氷の存在によって難航すると推測され、まだまだ課題は多いといえます。
<参照>
Tabor, Damon. "Under the Sea: Why moving rigs to the seafloor could make Arctic drilling less risky." Popular Science April 2013: 23-24. Print.
世界初の海底掘削リグを開発中のStatoil社ホームページはこちら→http://www.statoil.com/en/TechnologyInnovation/FieldDevelopment/Pages/default2.aspx
コラム担当者紹介
環境コンサルタントを経て米国でサステイナビリティ研究を行った経験を活かし、環境に絞って翻訳活動を行っております。修士共同研究ではカリフォルニア州道路公団の依頼で景観計画を作成。サステイナブル・コミュニティに関する研究では代替エネルギーから建築、農業、教育まで幅広い分野を統合する試みに携わりました。調査→分析→報告/発表という一連の流れの中で、必要に応じて関連分野の情報収集を行うなど、環境に関わる各分野に適した正確な翻訳を行います。
株式会社高橋翻訳事務所
環境翻訳 担当:Y.M.
環境コンサルタントを経て米国でサステイナビリティ研究を行った経験を活かし、環境に絞って翻訳活動を行っております。修士共同研究ではカリフォルニア州道路公団の依頼で景観計画を作成。サステイナブル・コミュニティに関する研究では代替エネルギーから建築、農業、教育まで幅広い分野を統合する試みに携わりました。調査→分析→報告/発表という一連の流れの中で、必要に応じて関連分野の情報収集を行うなど、環境に関わる各分野に適した正確な翻訳を行います。
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