年末と第九 | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

プロ翻訳家による丁寧な翻訳で海外・国内のホットな話題を翻訳家の視点で書き綴っております。

こんにちは。高橋翻訳事務所(http://goo.gl/25cZv)美術翻訳担当の佐々木と申します。

アート翻訳今回のテーマは第九についてです。

年末といえば第九。ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)の交響曲第9番ニ短調作品125で、ベートーヴェンにとって最後の交響曲(symphony)でもあります。第4楽章は独唱、合唱を伴って演奏され、歌詞にはドイツの詩人シラー(Schiller)の作品が用いられ、楽曲用にベートーヴェンが自ら書き直しました。第4楽章は「歓喜の歌」としても世界中で広く親しまれています。

日本では、徳島県にあった捕虜収容所で1918年にドイツ兵捕虜が演奏したのが初めてとされています。公式な記録としては、1924年に東京音楽学校のメンバーが演奏したものが初演とされ、オーケストラでは1927年の新交響楽団(現・NHK交響楽団)が初となっています。日本で年末に演奏されたのは1940年に行われた神武天皇即位紀元2,600年を祝った紀元二千六百年記念行事で、12月31日に新交響楽団がラジオの生放送で第九を演奏しました。その後、第九が頻繁に演奏されるようになった背景には、戦後の経済状況が少なからず影響しています。収入が少ないオーケストラの団員が年末年始の生計を確保するため、当時の人気曲目であった第九は集客を見込めるということで年末に演奏するようになりました。こうして第九=年末という認識が徐々に浸透していきます。

現在はNHK交響楽団だけでなく、年末にはさまざまなオーケストラが第九コンサートを開催するようになりました。今年の最後をクラシックのコンサートで締めくくるのはいかがでしょうか。


経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳コラム担当者紹介
美術分野全般翻訳を担当しています。日頃からさまざまなメディアを活用して新しい情報の収集を続けています。「美術」というと、分かりにくい、難しいというイメージがありますが、専門用語には注釈をつけるなど、違和感なく、スムーズに読むことのできる表現を心がけています。
株式会社高橋翻訳事務所 
経済翻訳政治翻訳美術翻訳  担当:佐々木