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年末といえば第九。ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)の交響曲第9番ニ短調作品125で、ベートーヴェンにとって最後の交響曲(symphony)でもあります。第4楽章は独唱、合唱を伴って演奏され、歌詞にはドイツの詩人シラー(Schiller)の作品が用いられ、楽曲用にベートーヴェンが自ら書き直しました。第4楽章は「歓喜の歌」としても世界中で広く親しまれています。
日本では、徳島県にあった捕虜収容所で1918年にドイツ兵捕虜が演奏したのが初めてとされています。公式な記録としては、1924年に東京音楽学校のメンバーが演奏したものが初演とされ、オーケストラでは1927年の新交響楽団(現・NHK交響楽団)が初となっています。日本で年末に演奏されたのは1940年に行われた神武天皇即位紀元2,600年を祝った紀元二千六百年記念行事で、12月31日に新交響楽団がラジオの生放送で第九を演奏しました。その後、第九が頻繁に演奏されるようになった背景には、戦後の経済状況が少なからず影響しています。収入が少ないオーケストラの団員が年末年始の生計を確保するため、当時の人気曲目であった第九は集客を見込めるということで年末に演奏するようになりました。こうして第九=年末という認識が徐々に浸透していきます。
現在はNHK交響楽団だけでなく、年末にはさまざまなオーケストラが第九コンサートを開催するようになりました。今年の最後をクラシックのコンサートで締めくくるのはいかがでしょうか。
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