無殺菌牛乳と米国FDA | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。高橋翻訳事務所(http://goo.gl/25cZv)環境翻訳担当のY.M.と申します。

環境翻訳子供が慢性的な腹痛を訴えるようになり、あれこれ調べたところ、どうやら牛乳が原因らしいということが判明しました。牛乳を加熱殺菌(低温殺菌:pasteurization)する過程で消化吸収(digestion and absorption)を助ける有益な酵素(enzyme)や乳酸菌(lactobacillus)が失われるために起こる消化不良のようなものだということです。

そこで、殺菌していない牛乳(raw milk)を、、、と思ったのですが、これが非常に入手困難だとわかりました。アメリカでは、1800年代後半以降顕著となった牛乳による病原菌の感染を防ぐため加熱殺菌が強く推奨されるようになり、現在では大半の州で無殺菌牛乳の販売が禁止されています。

それでも人づてに無殺菌牛乳を分けてくれる農家を見つけたのですが、購入したボトルには「ペット用/人による消費には不適」との表示が!さらにその後、同農家がFDA(United States Food and Drug Administration)から抜き打ち検査を受け、営業停止命令(injunction)が出されたことを知りました。

牛乳はさまざまな病原菌の巣となりえるから一律殺菌は必須と主張するFDA。病原菌は不衛生な飼育環境に由来するもので、広い牧草地で牛本来の飼育を行い、清潔な牛舎で適切な搾乳を行えば、雑菌が入る心配はないとする無殺菌牛乳生産者。どちらの主張もそれぞれに理由があり、またそのような主張にいたる経緯もあるわけです。ただ、酵素も栄養分も活かされる生乳は消化が容易なため、いわゆる牛乳アレルギー体質でも飲める場合が多く、本当の意味で「消費者の健康を守る」という点では無殺菌牛乳の方が優れている、とも考えられるのではないでしょうか。

無殺菌牛乳の危険性については研究多数のため割愛。
無殺菌牛乳の利点についてはこちら→http://www.raw-milk-facts.com/raw_milk_health_benefits.html


環境翻訳コラム担当者紹介
環境コンサルタントを経て米国でサステイナビリティ研究を行った経験を活かし、環境に絞って翻訳活動を行っております。修士共同研究ではカリフォルニア州道路公団の依頼で景観計画を作成。サステイナブル・コミュニティに関する研究では代替エネルギーから建築、農業、教育まで幅広い分野を統合する試みに携わりました。調査→分析→報告/発表という一連の流れの中で、必要に応じて関連分野の情報収集を行うなど、環境に関わる各分野に適した正確な翻訳を行います。
株式会社高橋翻訳事務所 
環境翻訳  担当:Y.M.