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日本のプロ野球では毎年10月下旬ごろに行われているドラフト会議。さまざまなドラマが起こっていますが、メジャーリーグのドラフト制度はどのようなものなのでしょうか。まずは日程ですが、新人選手のドラフト会議(First-Year Player Draft)は6月上旬に開催されます。メジャーリーグは30球団あり、各球団は40名まで指名することができるため、会議は3日間も続きます。日本と大きく異なるのは自由獲得枠がなく、完全ウェーバー制(waiver system)を採用している点です。また、前年のレギュラーシーズン最低勝率の球団から順番に指名していくため、抽選もありません。そのため、有望な選手は下位の球団が獲得し、戦力の均衡が保たれる仕組みとなっています。指名対象となる選手はアメリカ、カナダ、プエルトリコの居住者、そして在学中の外国人です。そのため、日本人が指名されることも過去にありました。
ドラフト制度は1965年に導入されましたが、そのきっかけは戦力の偏りでした。それまでは資金が豊富な球団に有力選手が集まっており、メジャーリーグの活性化を促すために現在の制度が取り入れられました。導入後はさまざまな球団が優勝し、2000年以降は毎シーズン優勝チームが変わるなど、ドラフト制度が正しく機能していることがうかがえます。
なぜ、日本では完全ウェーバー制のドラフト制度が行われないのでしょうか。大きな理由の1つには、選手の海外流出に対する懸念があります。また、日本国憲法が保障する職業選択の自由(freedom of job selection)を侵害しているといった意見もあり、導入は見送られています。選手にとってはプロ野球選手になるという夢だけでなく、自身の将来が決まる大事な制度です。メジャーリーグのドラフト制度で参考にする点もあるのではないでしょうか。
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