ストーマケアに関わる医師と看護師の専門技術および知識 | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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こんにちは。高橋翻訳事務所(http://goo.gl/25cZv)医学翻訳担当の平井と申します。

医学翻訳直腸がんの手術では、術後に人工肛門造設という大きな身体機能の変化を伴うことがあります。人工肛門は最近ではストーマ(stoma)と呼ぶことが多くなっています。ストーマとは、手術で腸管を体外に誘導して造設した排泄口のことをいい、その語源はギリシャ語で「口」を意味しています。

ストーマが造設されると身体の見た目上の変化と、自分の排泄を制御できなくなるという機能上の問題があります。私たちの体は、括約筋の機能により便意を感じてもそれを適切な場所および時に排便することができる機能を持っています。しかし、手術によってこの機能が失われてしまうため、排便の処理に工夫が必要になります。そこで使用されるのが、ストーマ用品です。1960年代の後半からストーマ用品の開発が進み、最近では、それぞれのオストメイト(ストーマ保有者)に適したストーマ用品を選択して、オストメイトのQOLを考えたストーマの管理方法が指導されています。しかし、オストメイトが使用するストーマ用品は、保険診療では取り扱われていません。こちらに掛かる費用は自己で負担しなければなりません。そのために経済的な心配を持つ患者もいますが、現在ではさまざまな社会福祉制度を活用することができるようになりました。身体障碍者の認定を受けると装具購入の補助や税金の控除、交通運賃の割引などの保証を受けられます。

また、退院後の生活で困ったことや、ストーマの異常に関する相談は、外来において医師や看護師による適切なアドバイスを受けられるようになってきました。医療施設ではストーマケアに関する所定の教育を受けて、専門駅な知識と技術を習得したET(enterostomal therapist)やWOC(創傷・オストミー・失禁)看護認定看護師などがストーマケアに専門的な知識を持って関わるようになり、ストーマケアに関する研究を深めてオストメイトの生活の質向上に努めています。

現在のオストメイトは、仕事への復帰や旅行、スポーツなど、社会の中で活動する範囲が広がっており、制約された中でも、手術前とほとんど同じ生活を送ることができるようになりつつあります。


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医学翻訳分子生物学翻訳生化学翻訳  担当:平井